翌日
冨岡さんの一件がありあまり眠れていない
でも柱稽古をしないわけにも行かず…
さっさと身支度を済ませ、外で待機する
すると暫くして
冨岡さんがでてきた。
あからさまに顔をそらしてしまい…
冨岡さんの声がすぐ横で聞こえ
このまま顔を逸らして置くことも出来ず
顔を向けると
いつもと何ら変わらぬ顔をしていて
え…
覚えてないんだ。
いや
でも逆に覚えてくれてなくて良かった…
なんとか一件落着し、稽古へと
入ろうとした時
屋敷の入り口から、大きな物音がし
覗きに行こうとすると
私の姿を目に捉えず
じっと冨岡さんを見る師範。
そう言いぎゅっと私の腕をつかみ
そのまま屋敷の外へ向かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。