第2話

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2020/02/20 05:50
不死川実弥
不死川実弥
おい、こらァ
サボんな
次やるぞォ
あなた

はい!!!!
お願いします!!!!!!




風柱の継子となって

はや数ヶ月。



スパルタ教育の不死川さん。







最初の方は本当に死ぬかと思ったけど



今じゃもう慣れてきて
不死川実弥
不死川実弥
おぉ
だいぶ様になりだしたなァ
あなた

やった!!!!!!
ありがとうございます!!!!!!

あんまり褒めない師範が

珍しく褒めてくれたから


嬉しすぎて


ガッツポーズをした時
不死川実弥
不死川実弥
ばか
調子乗んじゃねぇよ
あなた

……ウワッ
痛ッッ!!!!!!



練習用の棒で思いっきりつつかれて


いきなりだったからびっくりし

足がもつれコケてしまった……
あなた

少しくらい
練習じゃないなら
手加減してくれても
いいじゃないですか……ッッ

不死川実弥
不死川実弥
悪ぃ……ッッ


そう言いながら

笑いをこらえている


本当に痛いのに……ッッ
目がうるうるしてきた……






てか、

顔隠してますけど……

バレてますからね……師範。




なんてったって






肩がすごく揺れてますから。
あなた

師範……
笑ってますよね?

不死川実弥
不死川実弥
……ッッ
笑ってねぇ……ッッ
あなた

次はさせませんからね!!!!!!!!!
絶対。
隙なんて作りませんからね!!!!!!!!!

不死川実弥
不死川実弥
おう…ッッ
いい心がけだァ




それから


ツボに入ってしまったのか


ずっと声にならない声で笑っていた師範













あぁ、本当に師範の笑顔って




素敵だなあ……











それから稽古を終わりにし


師範の笑いも収まり


屋敷へと戻っていると


前を歩いていた師範が、ぴたっと止まり


私の方へ振り向くと
不死川実弥
不死川実弥
お前……
さっき怪我はしなかったかァ……?
あなた

え?
全然大丈夫ですよ!!!!

不死川実弥
不死川実弥
そうか




そう言い首元を触りながら

また前を向き

歩き出した師範。




心配してくれてたんだ……




やっぱり優しい人なんだなあ……




思わす顔が緩んでしまった








前を歩く師範をちらっと見ると



背中はとても大きくて



凛々しくて




すごくかっこよかった。

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