感じ取ったことの無い重い気配..
凄まじい勢いで現れたことを感じ取らせる土埃と音..
こんな時は、夜の深さがとても濃く感じ取れる
煉獄様の待機命令という言葉は私たちにはとても重かった
上弦は柱2人分の強さを持っている。そんな相手に1人で立ち向かおうとする煉獄様。
あなたが1人で戦う理由なんてどこにもない...
私が上弦に適わないことは分かっている..
弱いことは分かってる..
けれど、分かっていて強くなろうとしないのはなぜ..??
強くなれないのはなぜ..??
あの方に共闘を許してもらえる日は来るのでしょうか
煉獄様はすぐに「ならない」と言った。
煉獄様が肯定するはずがないのです。
だって、あの方は他人の命に心血を注いでくださる。
とてもお熱く、美しい炎を持つお方なのですから
戦いたい..目の前のものを失いたくない..戦いたい..だけど、、
守るために戦わない。。
それが私の決断
私はその子供や他の乗客の皆さんを避難させた。
乗客の皆さんの中には死人も居なければ、怪我をした人だって居なかった
煉獄様や炭治郎さん達が守ってくださったから..
私たちが行って何とかなるかなんて分からない..
だけど向かわなければいけません
聞こえた煉獄様の声は、少しも弱々しさを見せず、凛と張った力強い声だった
だけど、私はこの時、なぜかその技を使って欲しくはなかったのです。
奥義はいざという時に出すものです..けれど、煉獄様の"いざ"は今出あって欲しくなかった..
分からないけれど、とても儚き存在になってしまいそうだったから...
緊張感がその場に走った。
必死に心の中で名を呼んだ
土埃が晴れ..姿を視界に捉えることができた
煉獄様には...猗窩座の腕がめり込んでいた..
それでも尚、煉獄様は刀に力を込め直し、頸に掛けた
張り上げた2人の声がその場に響いた。
そんな祈りなど聞こえるはずがないのです
猗窩座は煉獄様を振り切り、その場から離れた
その通りだと、私も否定したくなった
そう叫ぶ炭治郎さんの頬には、涙が伝っていた
そのお声はとてもお優しく、暖かいものでした
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。