あぁ..本当に私は弱い...ッ
なぜこんなにも弱いの
1度夢を見たならば、夢と引き離すかのように不幸がふりかかる
その不幸はたちが悪く、周りの皆様までもを巻き込んでしまう
何度願ったでしょう
( 私がいなければ ) と
私がいなければ巻き込まれることなんてなかった
全て、私のせい
裏切れるわけが無い
私は産屋敷かなめ。
鬼殺隊統率者である兄、産屋敷耀哉の妹。
鬼殺隊を守り、産屋敷一族を護るため。
希望を実現するため。
悲痛の永劫を断ち切るため。
立ち上がりなさい
虞の壁を打ち砕きなさい
刀を握りなさい
諦めるな....ッ
瓦礫を踏みつけ、飛ぶように無惨の元へと走った
無惨の触手が私の元へと伸びてくるが、その途中で途切れた
突如現れた炭治郎さんの顔には大きな傷があり、とても痛々しかった
けれどもそれを全く気にしていない様子で戦闘し、私の元に駆け寄ってきた
お話によると、拾参ノ型は、日の呼吸の壱~拾弐ノ型までを途切れさせることなく繰り出し続けることで拾参ノ型に繋がるそうです
全てを繋げることで1つの舞となる日の呼吸
壱~拾参と円形に繋げられたその先
それは所謂未知の領域というものでしょう
でも、日の呼吸は現在、太陽,頸,赫刀...と数少ない鬼の弱点です
無惨に効くものは全て利用する
それは私の..御館様の..兄様の考えです
全力で尽力致しましょう
私は炭治郎さんの出す型に合わせて相性の良い型で応戦する
弐ノ型,参ノ型..と立て続けに無惨に炭治郎さんの技が入ったところで、一呼吸の合間に私の技を挟む
視界がとても開けていた
あの時と同じ感覚でした
まるで操り糸で操られているかのように体が動いた
思考の通りに動く体..とてもふわふわとしていて実感がないけれど、いつもよりも軽く正確だった
炭治郎さんの技に続き、2連撃を入れた
この時にようやく気が付いた
炭治郎さんのヒノカミ神楽..日の呼吸と、私の神の呼吸が、どこか共振していて
幸いにも、日の呼吸と神の呼吸はとても相性が良かったのだと
そう言えば、あの時書庫で見つけた本の特別な一頁に載っていたのは、この2つの型でした
わざわざあのように掲載されていたのですから、何か関連があったと予想出来たはずなのに...
炭治郎さんの日の呼吸は次第に型が繋がっていき、循環していった
私ももう少しで..
ほんの一瞬、炭治郎さんの動きが止まった
無理もないでしょう
赫刀で拾弐ある技を連続で打ち続けることは、人間にはとても難しい離れ業
炭治郎さんの元に先に届いたのは私の刀ではなく、無惨の触手でした
その瞬間、私と無惨の視界の間に縞模様が揺れた
伍ノ型で無惨を地面に差し込み、素早く刀を抜いた
炭治郎さんの日の呼吸が途切れた
でも、まだこちらが残っています
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。