その言葉は、きっと炭治郎さんにはとても重く、有難いものだったでしょう
炭治郎さんの目からは自然と涙が溢れていた。
意図していなくとも、炭治郎さんでなくとも、今の言葉はとても..とても優しいものです
その場にいたものは皆、静かにその言葉を心に留めた。
きっとなってみせます。ですが、私は煉獄様のような人にはなりませんよ
だって、あなたはあなたで。
煉獄様という存在を尊き柱として尊重したいから
私はその場に伏せ、地面に手を着くと、煉獄様の方へ頭を下げた。
今にも零れそうな涙を私は必死に堪えた。
まだ流すことはできません。
あなたに言われたことが零れてしまいそうだから
私は笑顔の仮面を咄嗟に付けた。
なぜでしょうね..でも、その時は笑っていたかった。
悲しい表情は、煉獄様は好きではないから
そうおっしゃる伊之助さんと善逸さんの目からは、涙が零れていた。
その雫はとても綺麗で、私の中にある感情も綺麗に流してくれそうなものでした
それを見たからでしょうか。
目の奥がじんわりと熱くなり、私の頬にも雫が垂れた
炭治郎さんはそう言うと、静かに目を瞑った
ポフッ
と、私の体に重みがかかった。
咄嗟に手を出してその重みの正体を支えた
炭治郎さんはそのまま、私の胸の中で眠ってしまわれました。
疲れだけではなく、怪我も軽くはありません。
炭治郎さんには、今は休んでいただきましょう
皆さん、お疲れ様でした
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炭治郎さん達3人を隠の方々に蝶屋敷まで送っていただくことに。
私は言った通り、かすり傷程度なので遠慮しておいた。
炭治郎さん達が優先です^^
では、向かいましょうか
私は赤き英雄の刀と羽織をそっと抱えると、足を進めた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。