第68話

63話
687
2021/03/22 13:02
鬼舞辻無惨
産屋敷かなめ貴様は本当に..
鬼舞辻無惨
弱いな
そんなこと、ずっと前から知っています
お前になんか言われなくても、知っています

柱の皆様には到底及ばぬ"力"や"心"
何もかもが劣っていました

でも..
産屋敷 かなめ
私はまだ、諦めることを知らない
産屋敷 かなめ
私には皆さんのように、乗り越えるべき大きな壁や、辛い過去だってなかった
産屋敷 かなめ
だから、諦める機会だってなかった
産屋敷 かなめ
諦めることについてまだ知らぬこの体は、
お前を本気で殺したいと叫んでいるの
背中を押す皆様の存在を胸に灯し、刀を握る
もう、離さない
悪を滅する刀を、想いを
産屋敷 かなめ
決して離さない!お前のいない未来を!!
その時、私の中で何かが崩れる音がした

それは誰にも見えない、とても小さなもの
しかし、私にとっては大きく脅威だったもの
鬼舞辻無惨
ッ!
鬼舞辻無惨
(私の血が完全に消滅した..)
鬼舞辻無惨
(この娘の中で、何かが覚醒した..?)
もう何も恐いものはないはずです
だから..ッ

抗え..!
産屋敷 かなめ
壱ノ型 軻遇突智一s..((
産屋敷 かなめ
ぇ、ちょっと..
産屋敷 かなめ
ま、待て!無惨!!
無惨は逃げた


私に背を向け、大きく光る月の元へと走り出した
産屋敷 かなめ
逃げるな、無惨!!
とても体が軽かった
視界も開けていた

縛りから解放され、解き放たれた感覚だった



今なら無惨を追える
そう確信に浸っていた
鬼舞辻無惨
執拗い..ッ!
産屋敷 かなめ
ッ!
産屋敷 かなめ
ウグッ..ッ
また、先程と同じ攻撃でした
それをまた喰らってしまった


少し自惚れていたのだと、その時初めて気が付いた


私の体はまた地面へと引っ張られていき、視界までもが暗くなっていた

また、目の前のものを見逃そうとしていた


それは絶対に駄目なのです
産屋敷 かなめ
ッ...ま、だ...
倒れる寸前に両腕を地面に伸ばし、体を前方に大きく倒し、両手で地面を押し上げる

その勢いで体は前方にひっくり返った
頭から着地せぬよう更に勢いを強め、足から着地する
産屋敷 かなめ
まだ、です..!!
着地したと同時に地面を蹴り、いっきに速度を上げる


体温が上昇し、心拍数もどんどん速くなっていった
視界が開け、体がうんと軽く思えた
呼吸も安定していて、とても楽だった


今なら出せるはずです...



痣を
凛(鎹鴉)
カナメ!戦線離脱シナ!
御館様カラノ命令ダヨ!
産屋敷 かなめ
........
凛(鎹鴉)
カナメ!聞キナ、カナメ!!
戻ッテ!
その時の私には、凛が何を言っているのか分からなかった

一心不乱に無惨を追い、討つことしか頭になかった


呼吸よりも、自分よりも、何よりも
無惨を追うことに全振りしてしまっていた
悲鳴嶼行冥
かなめ様..!
無惨を追う私の視界の中に、何かが入ってきた

体は何かに掴まれているのか、動かなかった
次第に視界も暗くなり、体の力も抜けていった

全ての反動が重なり、私は意識を手放した










産屋敷耀哉
ありがとう、行冥..かなめを..連れて帰って来てくれて...
弱りきった御館様の言葉は、途切れ途切れになり、吐息に混じって掠れてもいた
産屋敷耀哉
かなめは..今、どうなってるのかな...?
悲鳴嶼行冥
今は眠っておられまする
悲鳴嶼行冥
限界を超えても尚戦い続けたことの反動で、疲労が蓄積されているのでしょう..
産屋敷耀哉
そうかい..
かなめの鴉、凛の情報によると、
異変の調査のため森へ出向いたかなめ様は、そこで無惨と出会った

無惨と一対一で勝つ確率は無に等しいと判断したかなめは、無惨を追い返すことに専念

その中で、かなめの中で何かが覚醒し、かなめの中に流れていた無惨の細胞が完全に死滅
かなめはここで無惨の血と細胞を克服したとのこと

その後のかなめの動きは以前よりも格段に良くなり、痣の発現寸前にまで覚醒した
産屋敷耀哉
いつもありがとう..行冥
今日はもう..休んでおくれ
悲鳴嶼行冥
御意




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