第34話

32話
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2020/08/09 14:19
産屋敷 かなめ
ッ.....
産屋敷 かなめ
ッ!
意識が戻り、目を開けた
色々と混乱していたため、焦って体を勢い良く起こした
あたりを見渡してみると、見た事のある寝台に、空いている窓から入ってきた風で揺れるカーテンがあった
産屋敷 かなめ
蝶、屋敷...
その時、左手が少し暖かいことに気がついた

ふと視線を下にやると、私の大好きな人がそこにいた
産屋敷 かなめ
輝利哉...
輝利哉の目元は少し晴れており、涙の後が付いていた
産屋敷 かなめ
ごめんね..心配掛けて
私はそっと、輝利哉の頭を撫でた
産屋敷輝利哉
ん...姉様...
産屋敷 かなめ
ふふっ
私はあなたの姉ではないわよ(ニコッ
産屋敷 かなめ
でも、悪い気はしないわね..^^
大好きよ、輝利哉
すると、輝利哉はピクッと動き、目を擦りながら体を起こした
産屋敷 かなめ
(うるさかったかしら..💦)
産屋敷輝利哉
ッ!姉s...((
産屋敷輝利哉
かなめ様!
産屋敷 かなめ
あら、寝ている時は姉様と呼んでくれたのに..ね
産屋敷輝利哉
ほ、本当ですか..?!寝言など、お恥ずかしい..
産屋敷 かなめ
そんな事ないわ、何と言うか..とても嬉しかったわ^^
産屋敷輝利哉
かなめ様...
輝利哉は、今にもほっと言ってしまいそうな程安心した表情を浮かべていた
産屋敷輝利哉
そうです!
すぐに皆様にお伝えしなければ!
産屋敷輝利哉
かなめ様、私は皆様の所へ行ってまいりますから、もうどこにも行かないでくださいね!
産屋敷 かなめ
えぇ、分かったわ
輝利哉のその言葉の意味が私は何となく分かった気がした。


突然私がいなくなって、とても心配を掛けてしまったわね..

本当に、ごめんなさい。


もう、いなくならないわ..絶対に、あなたの傍から離れないから
産屋敷 かなめ
(だけど、不思議..)
産屋敷 かなめ
(傷が、治っていない..それに、輝利哉を見ても、何とも思わなかった)
それが当たり前。だけど、今の私は普通じゃないはずだった


無惨の血を大量に与えられ、普通なら既に鬼になっているか、死んでいるはずだった

鬼になれば、怪我も治るでしょう..が、私の傷には綺麗に包帯が巻かれていて、麻酔が溶けたのか、少しヒリヒリとしていた
産屋敷 かなめ
(痛みがするということは、傷は治ってない..)
そして、鬼になっているとすれば、体力を使っているはずなので、飢餓状態..人を襲いたくて仕方がなくなるでしょうが、私にはその兆候すらなかった
産屋敷輝利哉
かなめ様!胡蝶様を呼んで参りました!
産屋敷 かなめ
ありがとう、輝利哉
胡蝶しのぶ
かなめ様、目が覚めて本当に良かったです
産屋敷 かなめ
私は何がなんでも起きますよ^^
産屋敷 かなめ
胡蝶様、わざわざありがとうございます
胡蝶しのぶ
いえ、かなめ様も仲間、ですからね^^









産屋敷 かなめ
あの、私の体って...
胡蝶しのぶ
...異常は見当たりませんね..
産屋敷 かなめ
それなら良いのですけど..
あれから念入りに検査を受けましたが、体には何の異変も起こっていなかった

無惨の血も、綺麗さっぱり無くなっていたとか...
産屋敷輝利哉
かなめ様ご自身は、何も感じておられませんか?
産屋敷輝利哉
気分が悪いとか..そんなことはございませんか?
産屋敷 かなめ
えぇ、大丈夫よ(ニコッ
産屋敷輝利哉
本当ですか?
気付いていないだけかもしれませんよッ
産屋敷 かなめ
もう、少し過保護過ぎないかしら?私だってそれくらいは気付くわ
胡蝶しのぶ
本当ですか?^^
産屋敷 かなめ
胡蝶様まで...
胡蝶しのぶ
ふふっ
すみません^^
だけど、本当に何も無かった。

何かあるとすれば、傷が痛むくらいです...(恥



ですが、警戒は怠らないことですね
いつ何が起こるかも分かりませんから
産屋敷輝利哉
そうです!かなめ様
産屋敷輝利哉
少し遅れてしまいましたが..
産屋敷輝利哉
おかえりなさい!
産屋敷 かなめ
えぇ、ただいま^^



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