あれから何日が経ったでしょう...
いつ何が起こるか分からないため、私はじっと部屋の中で一睡もせずにいた
鬼殺隊の者が鬼になるには約3日程かかると書物に書いているのを見たことがあります。
恐らく、体感的には3日を過ぎているでしょう
ですが、体にはなんの異変もなかった
鬼になるには体力を必要とするため、鬼化直後は飢餓状態になることが多いようです。が、私にはその症状もなかった
確かに空腹ではありますけど..人肉や血が欲しいとは思ってはいませんから....
その時、スッと襖が開き、ある人物が入って来た
鬼化に時間がかかり過ぎていることに無惨は少し苛立っていた
すると、無惨は私の首を勢い良く掴み、爪を立てて私に血を流し込んだ
また、あの感覚がした
流れ込む無惨の血が、
私の全てを奪ってしまいそうな感覚
その声に私は酷く恐怖を覚えた
その瞬間、無惨の手が首から離れ、持ち上げられていた体が地面に落ちた
もう血は流れ込んでいないというのに、体全体で、拒絶反応を起こして、とても苦しい
"殺して来い"とでも言うの?
なら、私は全力で拒否する
拒否してやりたい
けど..
苦しくて、怖くて、辛くて...何も、言い返せない
そのまま、畳だったはずの床が扉に変わり、私は暗い闇に落っこちて行った
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バタッと高いところから落ちた
だけど、そんな痛みよりも苦しみの方が勝っていた
だけど、外に出る事ができた。
さすがにあの量を吸収してしまえば体が持たない..それに、鬼化も進んでしまうかもしれない..なら、今のうちに死ななきゃ
そう考え、私はふらつく脚でどうにか立ち上がり、近くに木に寄りかかった
聞き覚えのある声が遠くでした気がした。
なら、尚更傷つけたくはないです
そう思い、腰に掛けていた刀を鞘から取り出し、力を入れて自分の腹を貫こうとした
しかし
口から大量の血を吐血してしまった
徐々に力も抜け、カランと音を立てて刀が手から落ちた
もう一度力を振り絞って立ち上がると、今度はポタポタと雫が落ちる音がした
腹部が先程から熱い感じがして、視線を下ろした
すると、無惨にやられた傷が開いていた
いや、正確には塞がってはいなかった。けれど、パックリと裂かれた傷からはだらだらと血が流れ、止まらない
そう思いつつも、身体には全く力が入らない。それどころか、もう意識が持たなかった
バタッと倒れてしまった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。