第2話

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8,638
2020/05/10 15:25
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春の陽気で思わずあくびが出てしまう。



時計を見るとあと5分で大っ嫌いな数学の授業が終わる。



ふっと気が緩んで外を眺めていると



歩いてきた先生がプリントで頭を軽く叩いてきた。



「ちゃんと集中しろー」



「…すみません」



後ろの席だからバレないと思ったのに…



友達の方をちらっと見ると目が合って笑われてしまった。



…もっと数学嫌いになった。



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「終わったああああああ」



終了のチャイムが鳴ると同時に友達の所へ駆け寄る。



「あなた、先生に怒られてたね笑」



「あれは怒られたんじゃなくて注意されたの!」




なんてくだらない事で言い合いをしていると、
どこからか、名前を呼ばれた気がした。




「あなた!」




教室のドアをみると、少し汗をかいた孝支がいる。




「えっ、どうしたの」



「社会の教科書貸してよ」



と、ちょっと申し訳なさそうに言う孝支の後ろには大地が立っている。



「旭に借りればいいじゃん、クラス隣なんだし」



4組なのにわざわざ1組まで来る意味…。



「あなたのがいい」


目をじっと見つめながら言う孝支は、いつもと違った。



「え、」



「はやくーーーー」




なんなんだこの人…。



後ろの大地を見ると少しにやけている。



恥ずかしさを隠すために小走りで机に向かい、貰ったばっかりの教科書をとる。



「汚さないでよ」



「任せといて笑」



そう言って教科書を受け取り、走りながら教室へ戻って行った。




「菅原くん絶対あなたのこと好きじゃん」



「なわけないって…」




…両想いだったらとっくに告白してるし。

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