第5話

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2020/05/22 16:24
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「…進路先、決まんなくて」



俯きながらそう喋ると、



「まあまだ実感なんて湧かないよな」


と共感してくれる孝支。



私より背の高い孝支を見上げると、首にかけてあるタオルで汗を拭いていた。



…バレー部、大変そうだなぁ。



そう思うと同時に、孝支がモテる理由も分かる気がしてきた。



きっと私の事なんか眼中にも入ってないけど…多分。


「じゃあな!!あなた!!」



急に肩を叩かれたと思ったら、隣の席の男子が私の横を走りながら通りすぎて行った。



「あ、うん、ばいばい!」



その男子は孝支の次に仲良くて、色々相談とか乗ってくれて、とっても優しい。



「…なに、彼氏?」


「なわけないじゃん、馬鹿なの?笑」



…少しだけ孝支の機嫌が悪くなったような気がした。




「えなに、嫉妬?笑」



と冗談で言ったつもりなのに、



「うん、嫉妬した」



とさりげなく孝支は呟いた。



こういうこと言われると調子狂う…。


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孝支と歩いていると家に着くまでが早くて、まだ一緒にいたいな、なんて思ってしまう。



「また明日な」



そう言う孝支は、少し寂しそうな顔をしている。



…もう1年も片想いしてるなんて、やだ。



「すき」




いつの間にか出ていた言葉。



はっと口を噤むと、孝支はおどろいたような顔をしている。



「っごめ、なんでもない、」



ああああもうなにやってんの…。


私は恥ずかしさを抑えきれなくて、孝支の返事を聞く前に家の中に入ってしまった。





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