前の話
一覧へ
次の話

第1話

*重岡大毅 /切
435
2019/06/11 15:17



『喧嘩した後の仲直りの時は手紙書くな』




と、2人で約束していた。




___





最近は私が話しかけても「うん」「で、?」
の2文字返しが多かった。



「ねぇ、大毅。今日ご飯どうする?」
『うーん、なんでもええ』
「そっか、わかった。作ってくるね。」
『いちいち言わんくてええから。』



冷たい。私は繊細だから直ぐに傷つく。



いつもは言わないのに今日は


「なんでそんな怒ってるん、」
と聞いてしまった。
『怒ってへんわ。』
「怒ってんじゃん、最近冷たいし、」
『いちいちめんどくさいわ、はぁ。』




私は頭にきて、


「もういい。」
と家を出てしまった。




追いかけてこないなぁ。
やっぱ私ってそんなもんだったのか。

そんなことを思っていると1つの電話が。


「はい、。」
出ると大毅でもなく、お母さんでもなく
知らない女の人の声。


《重岡大毅さんが車に跳ねられました。》
息する間もなく病院へ向かった。




気づいた時にはもう顔に白い布が
かけられていた。



「……ねぇ、ねぇっ!目覚めてよ、っ!」
「すぐ怒ってごめ、んっ、また仲直りしようよ、っ!」



そんな言葉をかけても二度と返事は来ない。






途方に暮れていると、看護師さんから
白い一枚の紙を渡された。



《重岡さんのポッケに入っていました。》



‘ あなたへ
素直になれなくてごめん。
いつも俺のこと気いつかってくれてんのに
冷たくしてほんまごめん。

俺お前おらへんと生きてけへん。
仲直りしようや。

これからも近くにおってな。
好きやで。

おれより。 ’






汚い字ででも一生懸命に書いてくれた。



「…こんなん、っ、ずるいじゃん、っ」
「私も大毅おらへんと生きてけへんよ、っ」






早く逝くから待っててね。

プリ小説オーディオドラマ