第23話

#14-試験
151
2023/02/05 16:52
試験二十八日目

《V視点》

V}凪紗ぁ。遊ぼぉ。

凪紗}何しますか?

V}何する?

JIN}決まってないの?

V}凪紗がなんとなく寂しそうな目をしてたから誘っただけです(笑)

凪紗}え、本当ですか?

V}うん。この頃元気ないなーって思ってたから。

凪紗}すみませんペコ

JーHOPE}まぁ、疲れるよね。

V}休みのトレーニングもしないとね。死んじゃうよ?

凪紗}そうですね。消えちゃうかもしれないですね(笑)

なんで、笑ってられるの?まるで消えることに恐怖を感じてないというか、慣れているみたいな。

JーHOPE}そういえば気になってたんだけど、凪紗はなんでこの事務所に入ったの?

凪紗}初めの頃も言いましたが皆さんが本当にかっこよくて、いつか私も輝いて世界中の人を笑顔に、幸せにしたいと思ったから決めたんです。ここなら、同じようにとは言えなくても世界に出れると思ったんです。

V}そうだったんだ。

JーHOPE}もう少しで目指してたところに手が届くかもね。凪紗がメンバーに加わるってなったら。

凪紗}…そうですね。

JIN}まぁ残りの日数でゆっくり決めなよ。

V}暗い顔する必要なんてないんだから、笑ってよ!

凪紗}はい、

スタッフ}そろそろ撮影の準備が終わりますので、ご準備の方をよろしくお願いします。

JーHOPE}じゃぁ、メイク直して撮影行こうか。

メイク}直しますから来てください。

凪紗}私もスタジオ確認してきます。

少し凪紗の雰囲気が暗くなったから、さっきのこと気にしてるのかも。


少し押したけど撮影は順調に進み何事もなく終わった。

スタッフ}これで終了となります!お疲れ様でしたー!

BTS}ありがとうございましたパチパチパチ

マネージャー}では、各々着替えてください。


ガチャ

SUGA}コロッと変わっちゃうもんなぁ(笑)

JIMIN}今日殺りましょうか?

ただいま、みんなでジミンをいじり倒し中(笑)

凪紗}フフ

V}よかった笑えて。僕も力になるからね。

凪紗}頼りにしてます。

V}お兄ちゃんに任せなさい!エッヘン!

凪紗}ハハハッ!

V}そんなに笑うとこ?!

凪紗}いえ、なんだか嬉しかったのでつい(笑)

V}そうやって笑ってた方が可愛いよナデナデ

凪紗}はいニコッ

JIMIN}また抜け駆け?

V}べーつに?ジミナも頑張れ〜(笑)

凪紗}何の話ですか?

V}凪紗はこれから知るから大丈夫だよ?

マネージャー}凪紗、ラスト来てくれる?

凪紗}はい。失礼しますペコリ

バタン

V}バレるとこだったじゃん!

JIMIN}いや、あいつの鈍感力と言ったらピカイチだぞ?(笑)

JUNGKOOK}僕もいること忘れないでくださいよねぇ?

JIN}お前達だけじゃないぞ?

RM}ちゃんと同意のもとですからね?

JーHOPE}正式になってからの話なのでもう少しかかりますよ?

SUGA}早くとは言わないけど、だな。



宿舎着

RM}結局、23時にもなるのか。あとは各々過ごそう。

BTS}おやすみ〜。

JIN}先に入るねぇ。

JUNGKOOK}僕も先にいただきます!

V}凪紗、今日は練習禁止!

凪紗}え!それはちょっと、遅れとっちゃいますよ。

V}練習生が休んでる間、凪紗はずっと仕事してたんだよ?遅れも何もまずは休みを取らなきゃ!

凪紗}でも、

小指を立てて差し出した。

凪紗}…

そっと小指を絡ませてくれた。

凪紗}じゃ、勉ky

V}それも今日はおやすみ!お風呂入ったらすぐにベッドに行くこと!

凪紗}はーい…

RM}まるで本当の兄妹みたい(笑)

V}僕が入ったあとすぐ入るんだよ?

凪紗}わかりましたから(笑)

SUGA}そのあと俺入ろっかな。

凪紗}いやいやいや!先に入ってください!私は最後でいいので!

SUGA}約束守るか見る人いないとダメだろ?

V}それか一緒に入る?

凪紗}大丈夫です。

JIMIN}エーイ(煽)


パラパラ話している内に部屋に行く人が増えて、俺もゆっくりお風呂に入った。

V}あがったよぉ、

ダイニングの椅子に座っていた凪紗は誰かと電話をしている。

凪紗}はい…皆さん、も、、判断が…はい…午後から、、で…はい、失礼します。

V}大丈夫?

凪紗}え?あ、もうあがってたんですね。

V}それよりも辛そうだけど大丈夫?

凪紗}大丈夫ですよニコリ、

V}嘘。また暗い顔してる。

凪紗}…Vさんにはバレちゃいますね。

V}話聞くよ?

凪紗}先に入ってきます。SUGAさんも待っているので。

目に光がなく視線も下に…

SUGA}テヒョン。凪紗は?

V}今入りました。

SUGA}そう。なら、ゆっくりさせてやれ。

V}…ヒョンは凪紗が本心でいると思いますか?

SUGA}全てが本心だとは思わないが、本心を見せるようになってきてはいると、信じてる。

V}明日の午後、話しますか?

SUGA}あぁ。

V}わかりました。後で呼びますね。


凪紗}遅くなりました。

V}ゆっくりできた?

凪紗}はい。気持ちよかったです。

V}それはよかった。


コンコンコン

凪紗}SUGAさん?お風呂どうぞ。

シーン

V}寝ちゃったかな?ヒョン、入りますよ?

ガチャ

たくさんの画面が並べられている机に突っ伏して眠っているヒョン。

凪紗}寝ちゃってましたか。ちょっと待っててください。

そう言って持ってきたのはブランケットだった。

パサッ

凪紗}風邪をひいてはダメですからね。

V/凪紗}おやすみなさ〜い。

バタン

V}じゃ、少しお話しよう。

ガチャ

凪紗}お邪魔します。

V}隣おいで?トントン

横並びでベッドに座り、セットしておいたアロマを焚く。

V}俺がソウルに来たのが凪紗と同じくらいの歳だったかな。見慣れない景色に、知らない人ばかりでめっちゃ怖かった覚えがあるよ。それで練習は辛いのに相談する人も居なくなってきて辞めようかなって迷ったりした。

凪紗はゆっくり頷いてくれてる。

V}でも、メンバーと出会ってからはずっと一緒にいたから心の内を明かしあって泣いたし、笑ったし、喧嘩も沢山した。みんな俺の事を理解できるように裏で頭使ってることも知ってた。まぁ、全てが伝わったかどうかは分からないけど、家族に似た存在になってる。

凪紗}素敵ですね。

V}俺は感情が心を左右しやすくて、それが体調に現れたりとか笑顔が作れない時がよくあるんだ。BEの時期は特に酷くてメンバーにたくさん迷惑かけた。でも、本当に誰一人として見捨てなかったし、ずっと隣にいてくれたんだ。

凪紗}乗り越えられたのはメンバー皆さんのおかげだったんですね。

V}そう。それで、凪紗は俺と逆で助けを求めることが苦手というか、しちゃいけないみたいに考えてるように見えるけど、みんな言うけど本当にそんなことないからね。今だって俺は一切迷惑だなんて思ってないし、シュガヒョンが最後に入るって言ったのも凪紗に対する優しさなんだよ。

凪紗}はい。

V}凪紗の人生だから口出しはしないけど、後悔だけはしてほしくない。俺らの為とかARMYの為とかそんなの忘れて自分の気持ちに正直になる必要があると思う。怖いかもしれないけど、勇気を出して俺らにその気持ちをぶつけてほしい。全部受け止めることをここに誓うから。

俺はまた小指を差し出した。

凪紗}…その誓いを忘れないでくれたら、嬉しいです。残り少ない日数で整理してきますので、皆さんとしての意見も後悔のないようにしてください。

スッとした長い小指がまた絡まった。

V}ここに誓うよ。

真っ直ぐ見つめ合うとグッと引かれる何かを感じた。

凪紗}夜遅くにすみませんでした。少し楽になりました。

V}それならよかった。また何かあったらおいで。いつでも待ってるから。

凪紗}はい。おやすみなさいペコリ

V}おやすみ。

バタン

V}あの瞳は何?凄く魅力的で妖しい…月明かりのせい?

コンコン

ガチャ

V}ヒョン。お風呂入ったんですか?

SUGA}いいや、これから。

V}もしかして話聞いてました?

SUGA}聞こえちゃったの方が正しい。

V}僕の言葉、凪紗に届きましたかね…

SUGA}確実に届いてる。苦しそうにしていたからな。

V}それでなんで届いたと思うんですか?逆じゃないんですか?

SUGA}苦しむってことは元々あった答えを変えた方がいいのか、それとも変えずにそのままでいた方がいいのか、悩んでいるからこそだろ。凪紗にとっては辛いけど俺らにとっては嬉しいことだったりするんじゃないのか?

V}…そうかもしれないですね。

SUGA}まずは明日だ。おやすみ。

V}おやすみなさい。

バタン

V}どうであろうと凪紗の人生。入ってほしいけど、押し付けちゃダメか…

ベッドに入り、月明かりに少し照らされてる部分を眺める。

V}なんで短い期間でこんなにも手に入れたくなるんだろう。愛したいというか、離したくないというか…こんな気持ち今まで会ってきた女性にも強く思ったことないよ…

気づかないうちに眠りについていた。



試験二十八日目終了

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