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第4話

巫女さんの過去
18
2020/07/10 11:45
あれから月日が流れ今日は卒業式

本当にあっという間だな··友達との別れをかみしめ俺は家へと帰ることにした。

ふと巫女さんの事が気になり神社へと向かうことにした
日野拓也
日野拓也
懐かしいな··ん?巫女さんと誰かが言い争ってる··
巫女、父親
巫女、父親
いい加減帰ってきたらどうだ?
巫女、母親
巫女、母親
そーよ!あなたがいなくなってお金が足りなくなったのよ、帰ってきてまた家にお金を入れなさい!
噂の巫女
噂の巫女
お金って··優美が稼げばいいじゃない!私から命までとってこれ以上私から奪わないで!
お金?命?どうゆう事だ?あの二人って両親?優美って?俺は何が何だか分からない
優美
優美
お姉ちゃん···お父さんお母さん私··!
巫女、母親
巫女、母親
あなたは黙ってなさい!
巫女、父親
巫女、父親
お父さんお母さんに任せときなさい
巫女、母親
巫女、母親
優美はね、体か弱いの。あの後移植の後遺症なのか力が使えなくて稼げなくなったのよ!風の噂であなたが巫女の体を借りて力使えるようになったって言うから迎えに来てやったのよ!
噂の巫女
噂の巫女
なにそれ·····私の事いらないって言っといてお金のことになったら戻って来いって虫が良すぎるわ!今はいい人に恵まれて幸せなの!邪魔しないで!
巫女さんの口調が変わるほど怒ってる·····?表情はあまり変わってないように見えるけど·····

俺はただ見てるしかなかった
巫女さんは手で顔を覆うと泣き始めた
巫女、父親
巫女、父親
泣いても無駄だ!帰ってくるんだ!
噂の巫女
噂の巫女
もぅ·····いや!
巫女さんがそう叫ぶと強く白い光が当たりを包んだ。


なんだ!?眩し!
巫女、父親
巫女、父親
双子だと言うのにお前はなぜ力が使えないんだ!出来損ないめ!一族の恥だ!
巫女、母親
巫女、母親
一族でも力が使えないのはあなただけなのよ?
噂の巫女
噂の巫女
ごめん··なさい···
あの感じ··姿は違うけど、さっき巫女さんの体を借りてって言ってたし··これって巫女さんの過去?書こというより記憶··なのか?
巫女、母親
巫女、母親
あのね私達の一族は、普通の人間からお金、記憶、寿命、喜怒哀楽のどれかひとつを対価に色んなものを売る力を持ってるのよ?

対価を色んな神様に捧げて人を傷つけたり、生死に関わるようなこと以外のものを私達一族の人間を通して渡しているの

その力がないと私達は生きてはいけないのよ?この話は前にもしたわよね?
噂の巫女
噂の巫女
うん
なんて悲しそうな声で··
巫女、父親
巫女、父親
双子の妹、優美はすぐに力を発揮したのにお前は未だに発揮できていない
噂の巫女
噂の巫女
ごめんなさい··もっと頑張るから··
巫女、母親
巫女、母親
なんなら優美だけでよかったのに!
この巫女さん··こんな酷い扱いを··
優美
優美
姉···さん
巫女、父親
巫女、父親
お、優美か!起きたのか?最近体調あまり良くなさそうだが大丈夫か?
優美
優美
何とか大丈夫よ。それより姉さんと話をさせて
なんて弱々しく今にも消えてしまいそうな声··
巫女、母親
巫女、母親
だめよ!出来損ないがうつってしまうわ!
優美
優美
そんな··
巫女、母親
巫女、母親
あ、そうだこの間、病院の検査結果出たから
巫女、父親
巫女、父親
どうだった?
巫女、母親
巫女、母親
心臓に疾患あるらしくて移植しないと長くはないって··私達長い寿命を持ってるけどその力も効かないくらい優美の心臓弱ってるみたい
噂の巫女
噂の巫女
そ··そんな
巫女、父親
巫女、父親
移植?
巫女、母親
巫女、母親
ええ、同い歳の子がいいんですって、ドナー登録しても順番が来るまでに耐えられるか··どうしたら··私達の自慢の子··優美··
巫女、父親
巫女、父親
同い歳の子か··近くにいるじゃないか
何言ってるんだ?この人···自分の子供だぞ?
優美
優美
お父さん··?何言ってるの?
巫女、母親
巫女、母親
そうね、いるじゃないの
巫女、父親
巫女、父親
出来損ないのお前でも優美や俺達の役にたつことができるんだ。感謝しないとな
噂の巫女
噂の巫女
え?
そう言うと2人は巫女さんの頭を木の棒で

ガっ!
そこで巫女さんの記憶は途切れていた。

どうやらあの両親は命を奪い巫女さんの心臓を妹さんの体に移植したらしい。

なんて酷い··光が無くなると巫女さんの両親は倒れていた
優美
優美
姉さん!私ずっと姉さんのこと気になってて···!姉さんのこと酷く言うお父さんお母さんが嫌いで嫌いで··!家に戻らなくていいから··だから落ち着いて話をしよ?ずっと話がしたかったの!
噂の巫女
噂の巫女
···!優美··!だからってお父さんお母さんのした事は殺人だよ?私の命を··許せない
2人とも泣いていた
優美
優美
そうだけど、今姉さんがしてしまったことはあの時のお父さんお母さんがした事と同じことなんだよ?これで死んでしまうなんてことはないと思うけど··。一旦落ち着いて話し合お?ね?姉さんにはお父さんお母さんみたいになって欲しくないの!
噂の巫女
噂の巫女
優美··私の事をそこまで··有難う。優美と話すにしろ、会うにしろ、お父さんお母さんに罪を償って貰うにしろ私にはここを離れる訳にはいかないの
優美
優美
なんで?私の事··嫌い··なの?
泣きながら巫女さんに優美さんは聞いた
噂の巫女
噂の巫女
それは··この借りてる体··この巫女の体、霊力が強すぎて耐えられないの··私がいることでこうやって普通に話せたり生活ができるの··私がここに迷い込んだ時この巫女の父親が見える人で色々時にかけてくれて··良くしてもらったの。その時に知ったの··この子の体のこと、この子も私にとても良くしてくれた。友達··うううん親友なの!だから離れたくないの
優美
優美
そっか··分かった。姉さんが幸せにしてて安心したよ。たまにこっちに遊びに来るからおそしたら話したいこと遊びたいこと色々あるの!だから···
優美さんは目に涙をため、嬉しそうにそして少し悲しそうな表情で巫女さんを見た
噂の巫女
噂の巫女
うん!そしたら遊ぼ!

巫女、母親
巫女、母親
一体何が·····
巫女、父親
巫女、父親
優美!何楽しそうに話してるんだ!
優美
優美
お父さんお母さん、もういい加減にして!私はそんなこと望んでない!2人とも嫌いよ!これ以上姉さんに酷いこと言うなら私も家を出るから!それにお父さんお母さんのした事は立派な犯罪よ!私も姉さんもあの時は小さくて何も出来なかったけど今は違う!ちゃんと罪を償って貰うからね!私達一族のことを公に出来ないだろうから密かにだけど裁かれると思う
巫女、父親
巫女、父親
そ、そんなこと言うなよ··な?考え直そ?罪はちゃんと償うから···
巫女、母親
巫女、母親
そーよ?そんな優美がいなくなるなんてお母さん嫌だわ、ちゃんと罪を償って帰ってくるから
優美
優美
ならもぅ酷いことしないで。あと姉さんに謝って
巫女、父親
巫女、父親
わかったから、だから家を出るなんてこと·····。済まないことをした··命を奪うなんて···あの時は優美の事だけしか考えられなくてつい体が動いてしまったんだ··許せないだろうけど···
巫女、母親
巫女、母親
私もごめんなさい··優美を失いたくなくて··ちゃんと罪を償うわ··こんな親でごめんなさい
噂の巫女
噂の巫女
優美···有難う···♪お父さんお母さんのした事は暫くは許せない。罪を償ったとしても。優美の心臓のこと他に方法があったと思うし。私も優美がいなくなるのは嫌だよ?私の事気にかけてくれてたんだもの··今は昔の時間を取り戻すように優美と遊んだり話したりするから···♪そう考えると今から楽しみ♪
巫女さんが笑った。俺、巫女さんが笑ったの初めて見た
優美
優美
やっぱり姉さんには笑った顔が1番似合うよ!大好きだよ!姉さん
なんか俺色々とすごいの見ちゃったな···( ̄▽ ̄;)まぁいいや、帰るとするかな。

こうして俺は家と向かった

これが噂の巫女の話

今見た事は内緒にしてこれから先の人生楽しもう!

自分の人生は親や家族に決められるものじゃない。アドバイスとして取り入れるかもしれない、けど最終的に決めるのは自分自身だ。駄目、無能、役立たずなどの言葉の暴力で傷つけあうなんで誰も喜ばない悲しみしか生まれない。そんな悲しみがいつか無くなればいいな·····そう感じた俺だった

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