ある日の金曜日の夜、学校から帰った俺はある異変に気づいた。両親と弟の冬真の手にはスーツケース·····どこかへ行くのだろうか?俺は母さんに聞こうとしたら
いつもの冷たい視線、低いトーン·····俺に話しかける時はいつもこうなんだ
帰っていきなり旅行って··家族って··俺も家族なんじゃ···酷い···俺はショックで声が出ない···
そして父さん達は出かけて言ってしまった
とにかく俺は少しでも落ち着こうと冷蔵庫を開け何か食べようとした
所持金1000円のみ。三連休だとしても1000円じゃ足りない。俺はこれからどうするか考えた。するとスマホが鳴った
綾瀬先輩は学校の中で唯一俺の事を気にかけてくれる先輩。たまに話とかも聞いてくれる優しい人だ
あぁ···綾瀬先輩の優しい声···ついさっきの事を喋ってしまいそうだ。でも俺は綾瀬先輩に心配かけたくない。いつもの俺を装うことにした
大丈夫··!いつもの俺の声のトーンだ。
俺は泣きそうになるのを堪えて先輩にそう話すと先輩は怒り気味な声で
まさか俺の私服のこと知ってるなんて··びっくりだった
心配してくれる··けどなんか照れてる感じにも聞こえる。なんだか先輩可愛いな···。先輩と話してると暖かい気持ちになる···
恥ずかしい··よりにもよって綾瀬先輩にこんなこと··そう言うと先輩は
まさかの提案だった。
そう言うと先輩は電話を切ってしまった
そうして俺は学校近くの土手へとむかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。