第15話

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2022/05/14 13:30
(→続き)

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貴方
貴方
引き入れたのは先輩ですからね?笑
三郎
三郎
いいじゃないか(笑)
私もひとり酒で寂しかったんだよ
貴方
貴方
不破先輩がいるじゃないですか
三郎
三郎
あいつにはまだ早い
なんだそれは。
貴方
貴方
……私はいいんですね
いつの間にか手元の酒はなくなり、喉の痛みが、もはや快感と化していた。











今度は自ずから酒に手を伸ばす。それを見た鉢屋先輩は お、と嬉しそうな顔をした。
三郎
三郎
……もしかして、おかわり?
貴方
貴方
そうですけど
三郎
三郎
この不良学級委員長め(笑)
貴方
貴方
先輩に言われたかないですよ(笑)
少し酒が回ってきた私たちは あはは、と笑い合う。











数秒の沈黙の後、鉢屋先輩は ふぅ、と息をついたかと思うと、おもむろにこう言った。
三郎
三郎
………今度、私の変装術を教えてやろう
貴方
貴方
え、?
先輩の思いがけない言葉に、私は思わず盃を傾けるのをやめる。










薮から棒に、一体どうしたと言うのだろうか。
三郎
三郎
いやな、私ももう五年生だろ?そろそろ、後継者でもつくろうかと思ってな
「学園長先生にも、そうおっしゃられたんだ」と鉢屋先輩。












……そうか。言われてみれば、鉢屋先輩は五年生でいらっしゃる。











彼ほどの変装技術は、受け継がれるべきものだ。










でも……その後継者がこんな私で、いいんだろうか。











そう思って思わず黙っていれば、先輩は あはは、と笑った。
三郎
三郎
まぁそんなに気負うな
三郎
三郎
心配する必要はない。私から見てお前は、忍びとしての才が大いにあると思う
三郎
三郎
だから、後継者に選んだんだ
貴方
貴方
………恐縮です
三郎
三郎
そのお前に、私は私の持ちうる技術の全てを注ぎ込む
三郎
三郎
付いて来る気はないか?
そう言って私を見つめるその眼差しに、普段のからかいの色はない。










数多いる後輩達の中で、本気で私を選んで下さったことが分かった。
三郎
三郎
ついでだから、鏢刀も教えてやる
三郎
三郎
その代わり、今後の酒には付き合ってもらうがな
そう言って、先輩は酒をまた煽る。












………本当の目的はそれか、不良学級委員長。









ただ、
貴方
貴方
………わかりました
断る理由は、ない。











私も、不良学級委員長なのだから。
三郎
三郎
……よし
そう満足気に にたり、と笑った鉢屋先輩は、














空っぽになった自らの盃に酒を注ぎ、













私に ずい、と差し出した。







「月見酒」 END
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こんにちは!茉莉彩です!











ななんと!










星マークが100越えました!!











めちゃくちゃ嬉しいです!!










ありがとうございます!!😭😭😭










こんな作者の作品を愛して下さって、










もうなんと感謝していいやら………(´°̥̥̥ω°̥̥̥`)











亀以下更新にはなりますが、今度も何卒よろしくお願い致しますm(*_ _)m










では、また次回!









ばいちゃ!(*・‐・*)/

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