第9話

町外れの甘味処 の段
2,176
2020/08/18 12:16

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文次郎
文次郎
お、仙蔵。……また出かけるのか?
仙蔵
仙蔵
あぁ、ちょっと野暮用でな
文次郎
文次郎
ほぉん……













しばらして着いたのは町外れにある小さな甘味処
貴方
貴方
あら、仙蔵くん。いらっしゃい^^

暖簾をくぐると、優しく出迎えてくれるあなたさん








16にして、この甘味処の店主であり、









密かな私の想い人だ
仙蔵
仙蔵
団子を1つ
貴方
貴方
はいよ、ちょっと待っててね

適当な席に座り、厨房の彼女を眺める
貴方
貴方
あぁ、そういえば…
貴方
貴方
喜三太くんと…しんベヱくんだったかしら?この間、その2人が来てくれて笑
仙蔵
仙蔵
し、しんベヱと喜三太が……?

不意に出た名前に、思わずたじろぐ
貴方
貴方
よく食べる子で、驚いちゃったわ笑

注文した団子とお茶を置きながら、あなたさんは笑った
仙蔵
仙蔵
あ、あぁ、そうですか…😅
貴方
貴方
……で、2人がまたやらかした?

他に客がいないせいか、そのまま彼女は、私の向かいに座る
仙蔵
仙蔵
え、どうしてそれを……
貴方
貴方
いい加減にしろって顔に書いてあるわよ😁
仙蔵
仙蔵
………話、聞いて頂いても?😓
貴方
貴方
えぇ、もちろん^^

先程の意地悪な笑みから一変、優しく微笑むあなたさん









あぁ、こういうところだ









こういう彼女のあたたかいところに惹かれて、









私は、この店に足繁く通ってしまうのだ
仙蔵
仙蔵
本当、あの2人には困ったものです……
貴方
貴方
それでも、放っておけないんでしょう?
仙蔵
仙蔵
えぇ、結局は付き合ってやる羽目になってしまって😅
貴方
貴方
ふふ、仙蔵くん、優しいから笑
仙蔵
仙蔵
(あぁ、可愛らしい……)

話す度、ころころと変わるその表情に、









私の頬が自然と緩んだ










仙蔵
仙蔵
……随分話し込んでしまったな

気がつくと、空が茜色に染まっていた









勘定をして、店を出る
仙蔵
仙蔵
ごちそうさまでした、また来ます
貴方
貴方
お待ちしております^^

「勉強、頑張ってね」









その言葉に軽く手を振り、帰路についた
仙蔵
仙蔵
(次に行く時は、簪でも買っていくか…)

やがて、私が忍術学園を卒業し、あなたさんに求婚、









そして祝言を挙げるのは、しばらく後の話である

--------キリトリ線--------


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