貴方→4年は組 保健委員会
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放課後
私は、医務室に向かっていた
今日の医務室の当番で、伊作先輩と交代しなければならないのだ
スパンッ
伊作先輩はこちらに顔を向けた途端、固まってしまう
ゆっくりと近づいてくる伊作先輩は、
突然のことに固まってしまった私の手首を取り上げる
そのまま、私の手首を口に咥えたかと思うと、
次の瞬間、鋭い針のような痛みが走った
我に返った私は、伊作先輩の手を振り払う
そう言う伊作先輩の目は熱に侵されたように蕩けていた
そう………まるで吸血鬼のように
その目に悪寒が走った私は、逃げるように医務室を後にした
気を紛らわせるかのように、長屋の廊下を必死で走る
「おかしい」
その四文字が、ぐるぐると頭をループしていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。