第10話

みんな吸血鬼!? の段
2,794
2020/08/26 16:44
貴方→4年は組  保健委員会

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放課後


私は、医務室に向かっていた








今日の医務室の当番で、伊作先輩と交代しなければならないのだ







スパンッ
あなた

伊作先輩、当番代わります!

伊作
伊作
あぁ、あなたちゃん!待ってた…よ…?

伊作先輩はこちらに顔を向けた途端、固まってしまう
あなた

い、伊作先輩……どうされたんですか?

伊作
伊作
あなたちゃん……君だったんだね…
あなた

は………


ゆっくりと近づいてくる伊作先輩は、









突然のことに固まってしまった私の手首を取り上げる






そのまま、私の手首を口に咥えたかと思うと、









次の瞬間、鋭い針のような痛みが走った
あなた

いっ……!?

伊作
伊作
ジュル…
あなた

い、いいい伊作先輩!?
な、何してるんですか!?


我に返った私は、伊作先輩の手を振り払う
伊作
伊作
すまない、あなた….…あまりにいい香りだったから……

そう言う伊作先輩の目は熱に侵されたように蕩けていた









そう………まるで吸血鬼のように
あなた

し、失礼しましたっ!


その目に悪寒が走った私は、逃げるように医務室を後にした







気を紛らわせるかのように、長屋の廊下を必死で走る










「おかしい」








その四文字が、ぐるぐると頭をループしていた

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