それから私たちはお互いなにも話さずただ空を眺めてた
嫌だ…
まだ入りたくない…
けどグクオッパに我が儘をいって迷惑はかけたくない
だから
だから私は嘘をつく
心のどこかでグクオッパに気づいてほしいと願いながら
グクオッパが私に背中を向けて歩き出す
ギュッ
なざかわからない
けどグクオッパにハグしたくて私はグクオッパに抱きついた
そう言うとグクオッパは私の腕をはなし
向かい合った状態でハグをしてきた
グクオッパはすごく暖かくて
夜の外はすごく寒いはずなのにとても暖かかった
もちろんグクオッパは私よりもはるかに身長が大きいから
ハグされると私はグクオッパの腕のなかにすっぽりと収まる
約束…
あなた…
グクオッパ…
会いたい
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。