過去編 _
2人で歩いていると
見知らぬ建物の前でしんにぃが止まった
建物は門で隔離?されてるみたいだった
全体を囲んでいる門
私たちが立っているところは多分入口
門には何か看板?のようなものがあった
字が擦れていて初めが分からないけど
◯の里学園
と書いてあった
そう言ってしんにぃは中へ進んで行った
私も慌ててしんにぃの後をついて行った
しんにぃは何か大人の人と話して
大人の人が中へ戻るとしんにぃは
もうすぐ来るから待っとこうなって言ったんだ
2人で待ってると扉が開いた
しんにぃの後ろから顔を出して覗くと
綺麗な髪 大きな目 をした
私より少し大きい男の子がいた
イザナと呼ばれた男の子は静かにこくりと頷いた
そう言ってしんにぃは私を前につきだすように
イザナに見せつけた
イザナはキラキラとした目でこちらを見ていた
そんな目で見られたら
なんとも言えないじゃんか…
これが 黒川イザナ との出会いだった
数日後 イザナにぃからしんにぃの家にはがきが届いた
しんにぃはイザナに住所を教えていた
まぁ私は諸事情的に教えなかったけど
だから私の分もしんにぃの家に届いた
あれから何度も会いに行ったし
何度もはがきを受け取った
1人で会いに行くようにもなった
そう言って歩いていくイザナにぃの後ろを
私は黙ってついていった
左目が失明している
大きな傷がある 男の子がいた
何があったのか気になったけど
聞かないでおいた
これが 鶴蝶 との出会いだった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。