あなた side .
今日 お父様に会いに行く
みんなには悪いけど
これはもう決まってたことなんだ
…みんなには迷惑かけたくないから
…たけみっちのバブに乗せてもらったあの日
帰り道に黒ずくめの男とすれ違った
それが父だったのだろう
「芭琉覇羅の元アジトに来い」
「来なければオマエの仲間を殺す」
それだけ言って去っていった
ただの脅迫
頭ではわかってた
けど仲間を失う恐怖に体の震えが止まらなくて…
行くことに決めた
もう…お父様…いや、父の言うことは聞かない
私はみんなを守るって決めた
自分のことは…自分でケリをつける
これが私のやり方だから
元 芭琉覇羅 の アジト .
中に入ると
そこには 父がひとり立っていた
そう言うと父はポッケからナイフを取りだした
そう言って父はこっちに走ってきた
逃げなきゃいけないのに
足が動かない…
気づけば父は目の前にいた
もうダメだ
グサッ
刺されたのは私ではなく
私を庇った
千冬だった
父は慌てたようにナイフを抜いた
それと同時に千冬がその場に倒れた
私は思わず涙が溢れた
千冬が刺されたところは致命傷
本当に死んでしまうと思った
その言葉を聞いた途端
涙が止まり
頭が真っ白になった
ドンッ
私は父を蹴り倒した
頭が真っ白になって
こいつを殺したいとしか考えれなくなった
ドッ
ドッ
ドッ
馬乗りになって何度も何度も殴った
ドッ
ドッ
ガッ
殴ろうしたら
誰かに腕を掴まれた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!