あれから数日経って 12月31日
23:58
もうすぐで年が明ける
皆は初詣に行ってるみたい
退院出来たらマイキー達と行く予定だったけど
無理そうだから
私は病院でお留守番
そして
圭介の病室にいる
けーすけが目を覚まさなくなってから
今日で丁度2ヶ月
病院で新年を迎えるのなら
こうやって圭介と新年を迎えたかったんだ
…ガラス越しだけどね
あと10秒だ
今年も色々あったな、
来年こそ…"幸せになりたいな"…
1月1日 00:00
年が明けた
今日から 2006年だ
年が明けたよ、しんにぃ
また会いに行くね
…けーすけとも行くから、ちゃんと
そのときだった、
けーすけが目を開けて
小さくだけど
確かに私の名前を呼んだんだ
けーすけはゆっくりとこちらを向いて
笑った
ガラス越しだから私の声はあっちには
あまり届いてないみたい
本当に良かった…もう起きないかと思った…
泣いている私に気づいて
けーすけは少しびっくりしていたけど
また笑った
けーすけが生きてる…本当に…生きてる…っ
あ、先生…先生呼ばないと…!
.
私は専用のボタン?
ナースコールみたいなものを押して先生を呼んだ
先生はすぐに来てくれた
圭介は無事みたい
体はもう完治しているし
リハビリ等をすればすぐに元に戻れる
少しの間薬は飲んでもらうらしいけど
私と同時期には退院できるそう
何より、けーすけが起きてくれたことが
本当に本当に…嬉しかった
あと
明日から けーすけは私の病室 ( 個室 ) に移動する
私が無理言ってお願いした
私の病室には何故かベットが2つあって
不思議に思っていたんだ
丁度いい
圭介がそばにいるって考えたら
ちゃんと眠れそうだし…
明日 マイキー達ビックリするかな?
楽しみだな…
私は眠りについた _
1月1日 .
今はお昼頃
そろそろみんなが来る時間だ
けーすけには何があったか、全部話した
けーすけが起きなくなった後、
監禁されて、ずっと暴力を振るわれていたこと、
約2ヶ月の間
ずっとそこにいたこと、
けーすけに言ってないこと、全部
けーすけは謝っていたけど、私が謝らないでって
言ったんだ
ガラガラ
千冬は目に涙を貯めていた
千冬は圭介が起きなくてずっと元気がなかった
1人で毎日病院に通っていたらしい
感情が溢れてしまうのも当たり前だ
千冬は大人しく圭介の元へ近づいた
ポンッ
圭介は千冬の頭に手を置いた
千冬は溜め込んでいた涙が全部溢れてしまった
久しぶりに皆が笑顔になってくれた
今 とてつもなく幸せだ
前までは みんなを守る為に自分の命を犠牲にする
そういう考えだった
けど、今は…
私は皆を守るために生きたい
そう思ってる
私を変えてくれた皆…
皆を永遠に守りたい
私は改めて思ったんだ
みんなが大好き _
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!