あなた『…大橋』
和也『ん?あなたどしたん?』
寮に戻るとすぐ、大橋和也に話しかけた。
きっと彼なら何か知ってるはず。
私は全て話した。
和也『…あー』
あなた『何か知ってるでしょ』
和也『…彼女の写真見る?』
そう言って藤原丈一郎の机を勝手に漁る。
あなた『…それ大丈夫なの?』
和也『大丈夫大丈夫、丈くん俺には甘いから』
そう言いながら写真を出した。
気になって近づく。
和也『ほら、これ』
あなた『…』
写っていたのは可愛らしい女の子。
藤原丈一郎と腕を組んでいた。
彼はそっぽを向いていて、女の子はニコニコしている。
あなた『…これ』
ヘアゴム。
女の子がつけていた。
和也『…なぁ、まだ気づかん?』
あなた『…え?』
そう言って私を見た。
和也『あなたとこの子、瓜二つやで』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。