あなた『…ここか…』
私は佐藤あなた。女だ。
でも何故か今男子校の前にいる。
キャリーケースを持って。
あなた『…寮生活とか聞いてないし…』
そう、ここは寮生活。
でももうやっていくしかない。
??『あれ?君転校生?』
あなた『…はい』
??『俺ここの生徒やねん!案内するで!』
急に肩を組んできた男の人。
女物の香水がきついからきっと遊び人だ。
最初からめっちゃベタベタ触ってくるし。
??『名前は?』
あなた『…佐藤あなた』
??『へー、女みたいな名前やな』
あなた『…お前は?』
一瞬ドキッとなった。
危ない危ない。
恭平『高橋恭平、恭平って呼んでな、よろしくなー』
あなた『…よ、よろしく』
恭平『てかお前ちゃんと飯食ってんの?』
あなた『…へ?』
恭平『細すぎな、女かと思ったわ』
高橋恭平。
こいつには気をつけないといけないな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!