第106話

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2021/09/21 12:25
寮に戻り、お風呂に入った。

私は浸かりながら考える。




あなた『…多分ここにいる皆知ってるよね』


私が女だってことを。

なんとなく、気づいているはず。

私はお風呂を出た。










あなた『…あれ』


何故かヘヤピンがない。

いつもお風呂上がりにつけるんだけど。








あなた『…部屋かな…』


でも、持ってきたはずだ。

するとドアがノックされた。

開けると大橋和也。







和也『これ、落とした?』

あなた『…あ!それ!』


そう言ってヘアピンを渡してくれた。

すると大橋和也はヘアピンを見る。






和也『…緑なんやね』

あなた『うん、緑好きなんや』

和也『…そうだ!髪乾かしてあげる』

あなた『え、いいの?』

和也『うん!』


そう言って私達はリビングへ向かった。

大橋和也がソファに座って、私はその前に座る。







和也『じゃあ、乾かしまーす』

あなた『はーい』


大橋和也は乾かすのが上手で眠くなってくる。









和也『…俺を見てや』


ドライヤーの音で何も聞こえなかった。

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