あなた『…』
休み時間、貰った電話番号を登録してみる。
“峯本ゆな”
確かに可愛かった。
あなた『…でもなぁ…』
思わせぶりは女の子が可哀想。
あんま期待させん方がいいよね。
恭平『何してんの』
あなた『うわっ!』
すると肩に顎を置いて抱きしめるように携帯を取った。
恭平『…なにこれ』
あなた『今日貰ったの!』
そう言って奪おうとするけど
サッとかわされる。
身長のせいで取れない。
恭平『へぇ、お前狙われてんの?』
あなた『…狙うって…』
恭平『あかん』
あなた『ちょっと遊ぶくらいは…?』
するとため息を着く。
恭平『自分の立場わかっとん?』
あなた『…』
恭平『夢見させるんはやめとき』
そう言って携帯を投げるように返した。
何故か不機嫌そうに頭を掻きながら教室を出ていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!