「え?」
気づけば私はベッドの上で起き上がっていた。
え、えぇ。いつ起きんのかと思ったらもう起きてんのかよ。
「あのぉ...すみませんが。」
「ど、どこらへんから私起きてます...?」
自分の行動を振り返って冷や汗が背筋を渡る。
リムル『んー。「しょぉぉ!」みたいな?』
しょぉぉぉ...?そんなこと言ったか。
こんちくしょう.........
あそこかぁぁぁ。
いっちばん中途半端なところで起きやがった。
「あぁぁぁぁ////」
手で顔を隠すかのように縮こまった。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる!
リムル『そういや、体調は?』
リムル『体に異変ある?』
あ。そういえば。この体死んでんだっけ?
「今のところ大丈夫です。」
リムル『そりゃ良かった。違和感はあるかも知んねぇがな。』
さっきからこの子凄い女の子とは思えない口調だな。
「あ、あの。」
「助けて下さりありがとうございます。本来なら死んでいた私を。」
リムル『あぁ。気にすんな。ま、言い難いんだが、もう死んでるけどな。』
やっぱり心臓ないんだったら死んでるよなー。
「でも凄いですね。心臓に変わるものがあるなんて。」
リムル『............まぁな。』
リムル『とりあえず約1ヶ月も寝てたんだ。食い物必要な体じゃないが、食べていくといい。』
「ありがとうございます!」
リムル『そうそう。聞きたいこともあるからな。』
さっきからこの子に敬意を払っているのは命を繋いでくれたのもあるけれど、実を言うとこの子。相当強い。
いや、予想というかなんというか。オーラがパないわ。
〝この世界でも異常なレベルの強さだな。〟
急に喋りだしたと思ったら...
さっき急に黙るし、自分勝手に言い放題しやがって。
魔力回復する時だって教えてくれたっていいじゃん。
〝もう少しで回復すると言ったが。〟
え?そうだっけ?そのもう少しを具体的に言って欲しかったな。
〝意識が戻った時点でほとんどの魔素は回復していた。体を動かなくしたのは魔素を限界まで貯めようと思ってな。〟
んんん?ちょっと待って。
体を動かなくさせた...?
おいコラ待てや。お前が体動かなくしたんか。
あぁ?あんな暗くて体動かなくてなぁ、ちょびっと怖かったんだよ。
〝暗いのは灯りのせいだ。今太陽が落ちて人間で言うと夜の時間帯だ。〟
そ、そうかよ。あぁ。知ってんよ。
でも建物ん中だったらついてると思うじゃん。
〝お前は1ヶ月も眠っていた。いつ起きるのかも分からない奴の部屋の灯りをずっとつけているわけないだろう。〟
あぁ、もう分かったよ。私が悪いんでしょ?はいはい。
ッチ。私より私の事知ってるってなんやねん。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。