彼女から聞いた話では前世でビルから落ちると同時にこの世界の空に転生したようで、落下するとどっちにしろ国は破壊されたそうだ。
復元可能と聞いて落下した後、復元を頼み、復元した......と。
リムル『ちょ、ちょっと待て。復元可能と「聞いた」?復元を「頼んだ」?』
「なんか私のスキルって言うものみたいで、声が聞こえるんです。」
おいおい、それってお前じゃねぇか。なぁシエル。
《私ではありません。似たような自我の持つものかなにかでしょう。私は浮気しません!ぷんぷん!》
はいはい、そーかよ。ありがとさん。
ていうかどんどん人間味が増してんな。
「...確か。補獣魂って言ってたような。あ。そうみたいです。」
聞いたことないスキルだな。
「あ、なんか実体化可能だとか何とかってうわぁ!」
彼女の中から火の玉のような青色の炎のようなものが出てきた。
するとその炎は急にでかくなったかと思ったら渦を巻いた。
で、出てきたのが。なんだこれ、虎?犬?
白い毛だが背中に青い歪な模様が描かれている。
〝我はコイツの「1人は嫌だ」という望みから作成された補獣魂だ。〟
「そんなこと言ったっけ?ってこんな姿だったの!?」
〝仮だ。変形可能。〟
「じゃあとりあえず小さくなってよ。迷惑だし。」
その途端にまた白いトラのような姿から肩の乗るくらいの小さな虎に変わった。
おいおい笑、飼い主と飼い犬か?
どーりで、色々と知ってるし、この世界で混乱しなかったわけだ。
これから忙しくなりそうだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。