外出許可を得て、私達は外へ出た。
いざ外へ出てみると眩しい太陽に照らされ多くの人が行き交う騒がしい街中が広がっていた。
そして改めて感じる。
私がいた建物まじでけぇ。
そこらの何倍もの大きさで頑丈さが見てわかる。
さすが魔王と言わんばかりの建築物だ。
朱菜『そういえば先程リムル様のお部屋を出る時にセイラ様がしていたあの拍手とやらは何ですか?』
街中を歩きながらシュナちゃんが口を開いた。
あー、あれね。1礼3拍手1礼でしょ?神社でやるやつやん。(↑間違ってます)
「あれはね、神様にする儀式よ。“貴方はなんて偉大な方でしょう。この身全てを捧げます。アーメン。”って意味なの!」
決してそんな意味は無いと思うが少し面白そうなので話を盛ることにした。
この国の者は主をとても慕っていると聞いたわ。その誠心を見せてごらんなさい!
朱菜『なるほど!そのような意味なのですね!セイラ様はなんて心の綺麗なお方なのでしょう!』
「いやぁ!それほどでもぉぉ!!」
ごめっ。真っ黒だわ。
遊び半分で神様利用してるどーしようもない馬鹿野郎です。すみません。
いや、シュナちゃんの綺麗な心に乾杯よ。自分が恥ずかしくなってくるわ。うん。
それにしても、この国は素晴らしい。
他の国を知らないから断言は出来ないだろうが、街並みの整備や、食べ物。服。全てが最高なのだ。
なんて自由な国なんでしょうか。
私を配下に加えてと言ったらなんて言われるかな?
お前はもう俺の駒だ。とか言われそう。
まぁ、とりあえず今はこの国を満喫しよう。
いつ私の身に何が起こるか知ったもんじゃないからね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!