第20話

外出許可
5,663
2020/05/11 07:30



リムルさんに外出許可を貰いに立派な扉の前に来た。



コンコン




リムル『なんだ?』




朱菜シュナ『リムル様。少々お時間いただけませんか?』



扉越しでシュナちゃんがリムルさんを呼ぶ。





承諾を得て扉が開く。





中はとても大きく綺麗な部屋だった。





その部屋の入口の正面にはリムルさん用の大きなデスクがあり、その後ろには大きな椅子があった。




「でけぇ...」





って。リムルさんいなくね?

リムル『ここだよ。』






私がキョロキョロ探すのを感じとったのか声をかけてきた。


見ると椅子の上に1匹のスライムが...




「シュ、シュナちゃん!いいの!?あそこにスライム!」



あの人の椅子に座るなんて馬鹿なスライムだこと。



自殺願望があるらしい。






すると、スライムがみるみるうちに人型になり、なんとリムルさんの姿になったのだ。




「っな!...えぇ!?」




リムル『だから言ったろ?俺スライムだって。』




「なるほど、種族で馬鹿にしちゃいけねぇわけか...」



すんなり納得。実はこれも補獣魂パートナーがあらかじめ言ってたことだった。




その時は「まさかぁ笑」と思っていたことだが、実際見るとほんとにスライムだったと実感する。



リムル『それで?何の用だ?』





朱菜シュナ『セイラ様の外出を許可していただきたく参りました。』




落ち着いた笑顔でゆっくり説明する。




リムル『うーん。』




リムル『いいんじゃん?』



なぜ疑問形...





あなたが最終判断するお方でしょうが。




「え、いいの?」



思わずボロが出る私。




リムル『おー、いーよいーよ。魔物の国テンペストをゆっくり観光してくるといい。』



あっさりOKが出てしまった。


凄いフレンドリーな人だなぁ。



朱菜シュナ『私が案内しますね!』



こっちへ笑顔を向けて笑うシュナちゃん...お美しい...



「やったぁぁぁ!!」




「てか、なんでそんなあっさりOKしてくれるんですか?」



すると、リムルさんがこっちへ歩いてきた。



え、何。こわ!



リムル『よく考えてみろ?お前の心臓は俺が作った。』



そして『ニッ』と笑って私を指さす。



「つまり...」



謎の緊張感に唾を飲み込む。



リムル『この国でなんかしてみろ?そん時は一瞬でお前もパーだ!』

ガハハハハハと鼻高々に笑うリムルさんを前に...








恐ろしい...っ!




パーって優しい言い方してくれてるけどつまり『俺の国に手ぇ出したら消すぞ。』っていうことね。



私はもうこの国には逆らえないわけか...



まぁ、今のところ良くしてくれてるし?もし奴隷のように扱われるのならばその時考えればいい。



「望むところよ!!」



謎の自信に身を任せるとこの先私は危険な目にあうだろう。



「っあ。そんなことはしませんって意味で受け取ってください。」



ここでちゃんと訂正。


もし間違ったこと言っても後で訂正すれば問題なしなのです。



1礼3拍手1礼し、その部屋を出た。



リムル『やれやれ、俺は神か.....』



2人が部屋を出た後。




リムル『ソウエイ。』



蒼影ソウエイ『っは。何用でございますか。』



影からソウエイ登場。




リムル『アイツらの後をつけろ。もしもの保険だ。』



蒼影ソウエイ『かしこまりました。』

プリ小説オーディオドラマ