第5話

〈パロ劇〉VAZZY
259
2019/08/15 22:22
「赤ずきんとオオカミ」

ある深い森の中、オオカミが暮らす家がありました。

ぐ〜きゅるる。

直)お腹空いた〜。

一)うるさい、ワンコ。余計に腹が減るだろうが。

直)なんだと、一紗!

一)一紗「さん」

直)一紗さん!あと、ワンコじゃなくてオオカミだ!

ウガーと怒る直助。

孝)おいおい、ケンカはやめろ。無駄に体力を使うんじゃない。


ここには3匹のオオカミが暮らしていました。

一)そもそも、獲物を取ってこない孝明が悪い。

孝)いや、お前もいい大人なんだから自分の獲物は自分で取りなさいよ。

一)俺はいいの。孝明、飯。

孝)ないよ、この頃うさぎ1匹も見当たらないんだ。

直)今日もご飯抜き?

ぐ〜きゅるると再びお腹が鳴る。

孝)だから、自分で取ってきなさい!

ポイっと2人を摘み出した孝明

一)おいコラ!何しやがる!

直)うう、ご飯...。

孝)取ってくるまで入れないからな。

頑なに閉ざされた扉を見て、仕方なく狩に出かける2人。

森の中を歩きながら獲物を探す、

一)本当に動物がいないな。

直)せめて、食べられるキノコでもあれば..。

ふと、草むらに赤い何かを見つけた2人

一)なんだ?あれ。

直)動物!ご飯!

直助が赤い何かに向かっていく

一)おい!待てワンコ!

直)ごはーん!!

ガバァ!!と襲いかかる直助、そこにいたのは

優)うわぁぁ!!

直)ふぁ!!

ドサァ!地面に倒れこむ直助と

優)いたた、何?オオカミさん?

赤ずきんを被った人間でした。

一)大丈夫か、直助。
二)大丈夫!!優馬!

一&二)ん?

直)あれ!人間だ!!

ご飯じゃない...と落ち込む直助を見て、

優)もしかして、お腹空いてるの?オオカミさん。

直)うん、狩しに来たんだけど獲物がいなくて。

優)そうなんだ..そうだ!良かったら、このパンとぶどうジュースあげるよ。

直)いいのか!

一)おい、そこのお前も持ってるだろ。貰ってやるよ。

二)いいけど..勝手だなぁw

直)美味い!ありがとな!

優)良かった!

優しい、赤ずきん達にご飯を貰った2人は家に帰りました。

一)帰ったぞ!孝明。

直)お腹いっぱい食べたぞ!

2人は赤ずきんの事を孝明に話します。

孝)親切な人間で良かったな、狩人だったら危なかったぞ。

一)例え、狩人でも倒してやるよw

孝)はいはい、それじゃ今度は俺が狩に行くから留守番よろしくな。

直)いってらっしゃい〜。

孝明も狩に出かけます、

孝)あいつらも食べれそうな獲物を見つけないとなぁ。

森の中を歩いているうちに、奥の方まで来たようで

孝)かなり奥まで来たな、熊でも出たら厄介だ。

辺りを警戒しながら慎重に歩いていると、赤いずきんが見えました。

孝)あれが、あいつらの言ってた赤ずきんか。

さっきの礼でもしとくかと近づきます

近づくにつれ、微かに血の匂いを感じます

孝)血の匂い...怪我でもしてのか?

急いで赤ずきんに駆け寄る孝明、

孝)おい!大丈夫...か...。

赤ずきんの側に来た孝明でしたが、

ダン!

凰)ん?オオカミか、ちょうど冬用に毛皮が欲しかったところだ。

そこにいたのは、手斧を持って獲物を捌いていた赤ずきんだったのです。

孝)おい、ちょっと落ち着こうか、な?

ジリジリと後退する孝明に、

凰)安心しろ、痛いのは一瞬だ...。

孝)安心出来るか!!

一目散に逃げる孝明!

凰)待て!この一族に伝わる手斧で毛皮にしてやる!

孝)そんな事言われて、待つわけ無いだろ!!

ワーワー騒ぎながら森を駆け回る2人、

直)なぁ、助けなくていいのか?

一)あ?武装したアイツに近づけるわけ無いだろ。

優)赤ずきんのお話、これでいいのかな。

二)気にしちゃダメだよきっと。

孝)助けろ!お前ら!

凰)毛皮を寄越せ!


こうして、オオカミと赤ずきんの追いかけっこはお互いが疲れ果てるまで続きましたとさ。

おしまい。

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