第54話

〈ツキウタ〉Starry Sky (始)
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2019/08/27 15:54
Starry Sky

「側に居て」

)(急がなきゃ!)

待ち合わせ場所のカフェに向かって走る
待ち合わせの時間はとっくに過ぎていて

)なんで今日に限って、長引くのよ!

先輩に呼び止められて叱られ
気がついたら待ち合わせ時間が過ぎようとしていて、今に至る

カラン!

勢いよくカフェの扉を開き、
待たせている相手を探す

)(えっと、まだ居てくれてるよね)

キョロキョロしていると
奥の席の人が手を振ってくれた

)(いた!)

すかさず奥の席へ、そして

)遅れてごめんなさい、
待たせちゃいましてよね?始さん。

精一杯謝る

始)謝らなくていい、連絡も貰っていたし
俺もさっき着いたばかりだから気にしなくていい

)でも...

始)何か飲むか?
)いえ、大丈夫です。
始)なら、会計を済ませてくる。
(伝票を持ってレジへ)

)さっき着いたって...

始のいたテーブルにはアイスコーヒーのグラス

)それじゃ氷は全部解けませんよ。

氷が全て溶けたグラスを見て、
それだけの時間待ってくれていたのだと知る
優しさが嬉しかった

始)お待たせ、行こうか。
)はい!

自然公園の展望台に星を見に行く

)うわぁ!凄い!

自然公園は都会から離れているのもあって
星空が広がって見える

始)綺麗だな、こんな風に星を見たのは久しぶりな気がするw
)始さんはお忙しいですもんね。

始)確かに忙しいのもあるが...
)?

優しい微笑みを向けられて

始)お前が側に居てくれるからだろうな。
)ッ!///

始)それだけで、俺の世界は輝くんだ。
)私もです、始さんが居てくれるだけで...

その言葉は不意に与えられた温もりに消えて

始)これからも一緒にいよう、お前となら何処にでも行ける。
)はい!

流れる星に想いを乗せて共に行こう

終わり

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