はーー、ほんとクズだったな…
去年の春…
高校に入学して、教室の場所が分からなかった私に笑顔で優しく教えてくれた先輩…
それがじみんだった。
…その時私は一目惚れした…初めて好きな人ができた…
じみんは全然知らなかったと思うけど、時々廊下ですれ違うだけで舞い上がってた…
…でも、そんなの高一で終わり
高二になって、私はこの高校のほぼ全員の男子が2人1組で女子をターゲットにしてゲームをしている事を知った。
…なんだ。この学校ってクズばっかなんだなって思った。でも、じみんは違うと思ってた。違うと思いたかった。
でも、聞こえちゃったんだ。
「次は誰をターゲットになるかな。笑」
って、楽しそうに話すじみんの声を…
ああ、こいつもクズなんだな…。って思った
だから、私は復讐した。
それでも…じみんといる時間は、幸せだな。なんて思っちゃう自分が時々いたんだ…よね。
誰もいない薄暗い細い道で、泣いてるのを誤魔化すように笑いながらそう吐いた…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!