第2話

*ステージ-2*
903
2020/03/16 12:25
中島
──と、まぁ、契約内容の説明はこのくらいかしらね。何かわからないこととか、聞きたいこととか、ない?
KTプロダクションの事務所に着いた愛璃は、中島から契約内容の詳しい説明を受けた。周りを見渡すと、電話の応答や、パソコンに向かってなどして、忙しそうに社員が働いていた。
愛璃
えと……特にわからないこととかは無かったんですけど……あの……、本当に、愛璃でいいんですか?
周りの雰囲気に圧倒され、一気に自身がなくなっていくのを感じた愛璃は、中島に問いかけた。
すると、中島は、心強い笑顔を見せながら、愛璃を真っ直ぐみて、こう話した。
中島
──改めて自己紹介させてもらうわね。私の名前は中島景子。これから、あなたのマネージャーを勤めるわ。それで、あなたのマネージャーとして、一言言わせてもらうと……
そこまで言って、一度話すのを止めた中島は、息を大きく吸い、こう言った。
中島
あなたをスカウトしたのは私!!あなたがそんなにダメなら、スカウトなんてしないっ!!自信を持ちなさい!!あなたには、輝ける才能がある!
愛璃
……!
愛璃は、もともと大きな瞳を、更に大きく見開いた。その瞳に、光がどんどん宿っていく。
愛璃
……はい、わかりました。一瞬でも自信を捨ててすみません。愛璃は、この世界で──誰よりも輝いてみせますっ!!
愛璃のこの反応を見て、満足したようにうなずいた中島は、話し始めた。
中島
じゃあ、気を取り直して、次は今後のスケジュール等について説明するわね。まずは、学校のことから。あなたは今、ひだまり学園中等部、普通科に通っているんだったわよね?けれど、明日からはその芸能科に編入してもらうことになるわ。あと、デビューライブのことだけど、今週の水曜日……あと3日後に行うから。今日この後と、明日、月・火曜の放課後レッスンには、かかさずでるように。とりあえず、私からは以上よ。それじゃあ、頑張ってね!

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