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第15話

*ステージ-15*
愛璃
優さんっ、今日はいったいどこに行くんですか?
優の顔を下から覗き込むようにしながら、愛璃が問いかける。
う~ん、そうだなぁ……。俺は、愛璃ちゃんと一緒に居られるなら、どこでもいいけど?(笑)
愛璃
も~、優さんってばw
無邪気に笑う愛璃を見ながら、優は必死に緩みそうな顔に笑顔を貼り付けていた。愛璃にとってはただのお出かけでも、優にとっては"好きな子とのデート"なのだ。
そんな荒れ模様の優の心に気づくこともなく、愛璃は呑気にどこのお店に行こうか、などと考えていた。
(愛璃)う~ん、やっぱりタピオカかなぁ~。でも、ドーナツとかケーキも捨てがたいっ……
つまり愛璃は、自分に寄せられる好意に果てしなくうといのだ。
優も、それには薄々気づいていた。これまでにも何度か、自分の好意をほのめかすようなことはしてきたが、いっこうに気づく気配も、好意を寄せてくれる気配もない。
そんななか、"愛璃とEITOがとても仲がいい"なんて噂を聞いたため、今回の"デート"に踏み切ったのだ。
愛璃
優さん優さんっ、ドーナツとか食べに行きませんか?愛璃、アイドルだから甘いのは普段控えてるんですけど、今日は特別です♪
優は一瞬、"特別"という言葉に反応したが、すぐに気を取り直し、いつもの笑みを向けた。
ドーナツかぁ。いいね、俺も大好きっ!
心の中では、『ドーナツなんかより愛璃ちゃんが……』なんて思いながら。
──"デート"が始まって、数時間が経ち、そろそろ帰る時間になった。
優は、愛璃と一緒に事務所に戻り、そのまま別れようとした。
じゃあ、今日はありがとねっ、愛璃ちゃん!またいつか、俺と"デート"しよ♪
振り向き歩きだそうとした瞬間、愛璃が、優の腕を掴み、引き留めた。
愛璃
あのっ……、優さん今日、ちょっと無理してませんでしたか?
えっ……?
愛璃を見ると、とても心配そうな顔をしている。
愛璃
その、なんか……。ずっと笑ってたけど、何か笑顔の裏に隠してるような気がして……
愛璃は、人から向けられる好意にはうといが、人の心の変化や異変には鋭かった。そのため、今日優と過ごしながら、愛璃はずっと、心の中で優のことを心配していたのだ。
その姿を見た優は、これ以上、自分の気持ちを偽ることができなかった。
……その、俺実は、愛璃ちゃんのことっ──
スタッフ
あはははっ、本当ですかっ?
事務所の奥の方から、笑い声が聞こえてきた。
愛璃
……?
愛璃は、急に止まった優のことを不思議に思い、首をかしげた。
優は数秒沈黙した後、いつもの笑顔でこう言った。
ううん、何でもない!わざわざ心配させちゃってゴメンね?(笑)でも、俺はなんともなーいよっ!じゃあねぇ~!!
手を振りながら去っていく優の後ろ姿を見ながら、愛璃は思った。
(愛璃)あれっ?愛璃の気のせいだったのかな??
──一方、優は。
言えるわけ……ないか。
小声で呟きながら、自虐的な笑みをしていた。