無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第5話

*ステージ-5*
デビューライブを終え、事務所の一室に戻ってきた愛璃。そこで待ち構えていたのは、マネージャーである中島からの称賛の嵐だった。
中島
ちょっと、なんだったの?さっきのライブ!!凄いじゃない!あのライブの後、数えきれないほど仕事が入ったのよ!?
やる気に燃え、目を爛々と光らせている中島に、愛璃はついていくことができずにいた。
(愛璃)『なんだったの?』……なんて聞かれてもなぁ~。歌い終わったらあんな状況になってたとしか、言いようがない、というか……。
愛璃
え、え~っ……と……
何を言えばわからず目を泳がせる愛璃を、中島は期待を込めた眼差しで見つめる。
すると突然、部屋の扉が開かれた。
EITO
中島さん、何やってるんですか?廊下まで声響いてて、正直少しうるさいですよ……。──って、澄原愛璃……?
そこから現れたのは、大人気アイドル、"EITO"だった。
突然のEITOの登場に驚く愛璃を尻目に、中島は言葉を紡いでいく。
中島
あら、ごめんなさいね~。ちょっと興奮しちゃって!
EITO
まぁ、中島さんらしいっていえば、中島さんらしいですけどね……
そう話すEITOは、先程までとのアイドルモードとは違い、どこにでもいる中高生のような雰囲気で、柔らかい微笑をたたえていた。アイドルモードでなくともどことなく笑顔やオーラがキラキラしているのは、EITOの元からのカッコよさによるものだろう。
ふと、EITOは愛璃に目を向けた。
(愛璃)えっ、今ちょっとこっち見た……?
そう思っている間にも、EITOは愛璃から目をそらし、
EITO
それじゃ、また他の人に注意されないように気を付けて下さいね……
と、言い残して、その場を去っていった。
愛璃は、思わずEITOが出ていった後も、扉の方をじっと見つめる。そんな愛璃を見て、中島は少しいたずらっぽい顔をした。
中島
彼、凄くカッコいいでしょう?そういえば、彼もあなたと同じ学校の芸能科よ?確か、年も同じはず。……言っておくけれど、アイドルのスキャンダルはご法度だからね?
愛璃
んなっ……そんなつもりじゃ!!
思ってもいないことを言われ、真っ赤になりながら焦る愛璃。そんな愛璃を見て軽く微笑しながら、中島は話を続けた。
中島
わかってるわ、冗談よ。……っと、話がだいぶ逸れたわね。私があなたを呼んだのは、ドラマのオーディションのことを伝えたくて。まだデビューしたばかりだし、こういうのは受けておいた方がいいと思うの。……愛璃、あなたはどうしたい?
話が進むにつれて、段々と顔付きが真面目になっていった中島。純粋に愛璃のことを思ってくれているのが伝わる。
もちろん愛璃には、そんな中島を見て、オーディションを断る理由なんてなかった。
(愛璃)今は、中島さんの言う通り、色々なことに挑戦して、たくさん経験値を積まなきゃ……!
愛璃
はい!もちろん受けます!オーディション!!
愛璃は、中島の瞳を真っ直ぐ見据えながら、決意に満ちた声で答えた。その様子を見て、中島も大きくうなずいた。
中島
よし、わかったわ。後のことは私に任せておいて。日程が決まったら、連絡するわね。明日は学校に行きなさい?月曜日から3日間、レッスンで忙しくて行けなかったでしょう?
そうなのだ。月曜日から芸能科に転入したのはいいものの、今日のライブのためのレッスンで忙しく、学校に行くことができずにいたのだ。
愛璃
わかりました。では、これで失礼します!
軽やかに立ち上がり、扉を開く。事務所を出ると、愛璃は家に向かって歩き始めた。
──頭上には、一番星が輝き、愛璃を照らしていた。