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第20話

*ラストステージ*
愛璃は、影人と話した次の日には映画の撮影に復帰し、予定通り撮影を終わらせた。
影人と優とは、告白された日から話していない。別に避けているわけではないのだが、影人と優の関係がギクシャクしているのを見ると、愛璃からはなかなか声をかけることができなかったのだ。
(愛璃)影人……。優さん……。
愛璃は空港の中で、ニューヨーク行きの飛行機を待ちながら、2人の顔を思い浮かべた。
"結局、別れを告げずに旅立つことになってしまった"今さら、そのことを後悔する。
だが、そんな愛璃を気にも止めず、無情にもニューヨーク行きの飛行機が到着した。
愛璃
ごめんなさい……さよならっ……
涙を拭いながら、愛璃は呟き、ニューヨークに発った。
~・~
影人
えっ……!?冗談ですよね?
影人が問う。
同じ頃、事務所の一室では、影人と優が中島に呼び出されていた。
中島
冗談じゃないわ。きっと今ごろは、愛璃はニューヨーク行きの飛行機の中よ。
なんでっ……、愛璃ちゃん、そんなこと一言も………
優は、呆然としながら、そう言った。
影人も優も、状況を飲み込むことができずに、顔を歪める。
中島
……これ。愛璃から、あなたたち2人に宛てた手紙よ。
中島は、2人を見て軽く微笑みながら、手紙を渡す。
影人が手紙を受けとると、すぐに封を開け、優と一緒に読みだした。
─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─
『影人と優さんへ

こんにちは。澄原愛璃です。まずは、最後のお別れが手紙という形になってしまったのを許して下さい。

きっと今2人は、中島さんから"ニューヨークへ行く"という話を聞いて、すごく驚いているだろうと思います。

以前から、ニューヨークに活動拠点を移さないか、というお話はいただいていたので、映画の撮影を最後に、ニューヨークでの活動に切り替えることになりました。

今まで、ニューヨークに行くことを隠していてごめんなさい。

2人と、"映画の撮影が終わったあとに告白の返事をする"と約束していたので、今ここで、返事をしたいと思います。

愛璃は、影人とも優さんとも付き合えません。ごめんなさい。

2人に告白されてから、今まで一緒に過ごしてきた日々を振り返り、2人への気持ちについて考えてみました。その結果、愛璃は、影人も優さんも、大好きだと気づきました。

でもその"好き"は、恋愛感情の"好き"ではありませんでした。

愛璃なんかを好きになってくれて、嬉しかったです。本当に、ありがとうございました。

むしのいいことを言うかもしれないけれど、もしまた日本に来ることがあって、2人と会うことができたなら、今までのように笑顔で迎えてくれたら嬉しいです。

最後に、愛璃が1番伝えたかった言葉で、結ぼうと思います。

──さようなら。また、会いましょう!

愛璃』
─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─
影人と優は、中島が前にいることも忘れ、泣き崩れた。
悲しみではなく、愛璃への想いが溢れて。
~・~
──10年後、日本、春。
愛璃
久しぶりだな。ただいま、日本!
愛璃は、10年ぶりに日本の大地に降り立った。周りの景色も大分変わり、自分が10年間ここにいなかったことを、嫌でもつきつけられる。
ふいに、風が強く吹いた。降ってくる桜の花びらを避けようと、後ろを振り向く。すると、そこには、"あの人"が立っていた。
なんで、ここに……?
"あの人"が、問いかける。
愛璃は、10年前の手紙で、1つだけ嘘をついた。本当はどちらを"好き"なのか、答えは出ていた。
愛璃の瞳に、涙が溜まっていく。だが、表情は明るく、微笑んでいる。
愛璃は、大好きな人の名前を、10年ぶりに呼びながら、勢いのまま、抱きついた。
愛璃
〇〇っ……!!