第33話

「愛する亡人」
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2019/01/03 12:15
それから新年を迎えた。

月宮団の幹部隊士たちはそれぞれの道へと歩んだ。


凛太朗は月宮団を脱退し、私も遊女を辞めて、2人で故郷・大坂に帰ることにした。

しまと凛太朗。3人で過ごしたあの町。おそらく、何ひとつも変わってないのだろう。

諸星 明日香
諸星 明日香
凛太朗、京を離れる前にお墓参りに行かへん?
松浦 凛太朗
松浦 凛太朗
そうやな、行こか。
月宮団の屯所から少し離れたところに月宮団隊士のお墓はあった。

白夜さん、出雲くん、ハルくん、浬さん。順にお墓参りをする。

最後にしまのお墓へ来た。

すると、しまのお墓には先に誰かが来たのか、お花が供えられていた。
諸星 明日香
諸星 明日香
あれ、誰か来たんかな?
松浦 凛太朗
松浦 凛太朗
ほんまや。昨日確か大雨降ったけどこの花は綺麗だな...今日来たってことか?
諸星 明日香
諸星 明日香
まぁいっか。ほら、凛太朗しゃがんで。
私たちは静かに両手を合わせた。
私もそう遠くないうちに暁の力で死ぬだろう。

でも、怖くない。

しまと同じ天国の逝きかたなら。





さようなら、私の愛する人。
END

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