第14話

すの・青_年上②
152
2021/05/06 12:21







 「 あなたっ 」





 『 しょーたくん 』


 優しいな

 私のことなんか気遣わなくっていいのに



 「 違うから! 」


 『 なにが?

   私、だいじょーぶだよ?早く帰りなよ 』






 こんなことしか言えない自分が


 心底 嫌になる



 あの人ならもっとうまーく返すんだろうな




 「 ねぇ、聞いて 」



 『 いいよ。聞かなくてもわかる 』



 わざわざ嫌いなんて言葉 聞きたくない



 『 ただの妹だって

   そう説明したらいいよ 』



 自分で言ってて悲しくなる



 生温い液体が頬を伝うから


 しょーたくんから顔を背ける





 やっぱりなにも言わないじゃん




 ほら、図星だ





 でも、しょーたくんには感謝しなくちゃいけない




 私を必要としてくれたのは


 しょーたくんだけだったから






 「 ねぇ、違うから… 」



 しょーたくんの弱々しい声がして振り返ると


 いつもの柔軟剤の匂いが鼻をついた





 しょーたくんが強く抱きしめてくれる




 戸惑いながらもしょーたくんの背中に手を回す




 『 しょーたく、 』





 「 あれ、姉貴だから

   あなた 以外に居るわけないから… 」





 グスッと鼻を啜る音が遠く聞こえる






 どうしよう

 最低だ私

 自分の事しか考えてない

 しょーたくんの弁明も聞いてない

 自分勝手だ






 『 ご、 ごべんらさい ご め ん な さ いしょーたくっ 』







 子供みたいに声をあげて泣く私


 みっともない


 しょーたくんのスウェットを濡らしてるし




 それでも今はしょーたくんを感じられたから








 「 ごめんな、あなた 」





 公園で2人して大号泣









 その帰り道




 『 しょーたくんのおねぇさん綺麗だね 』



 「 えー、そう?ヤンキーだけどアイツ 」



 『 しょーたくんと一緒でカッコいい 』



 「 ふはっ、ありがと 」




 余裕そうに私の髪をぐしゃぐしゃするしょーたくん






 精一杯の背伸びをして







 しょーたくんのほっぺにキスをした






 「 は、ちょ、お前、それ反則/// 」





 『 んへへ、大好き 』






 「 家 帰ったら覚悟しとけよ? 」






 これからはしてくれるみたい

















 王道らぶ頑張りましたぁ😳

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