「ねぇ、ほんとに行くの?」
若干 潤んだ目でこちらを見つめるのは
彼氏のほく。
「ねぇ、行かないでよ
会社の飲み会くらい行かなくたってさ ねぇ…」
『すぐ帰って来るから』
そう言っても抱き付くのを辞めないほく。
なんとか制止を振り切って
飲み会へ向かった
「 あ、あなた〜 久しぶり〜 」
いつもは断る飲み会だけど
同窓会というのと
強く押された事で
行かないとは言いづらい空気だった
『 あ、久しぶりだね〜 』
誰だかよくわからない同級生と名乗る人に
挨拶をしてお茶を飲む
「 あなたちゃんお酒はぁ〜? 」
酔っ払っているその人
「 ほら〜、飲みなって 」
無理矢理 近づけられたシャンパンを避けると
今度はお尻を触られる
『 ちょ、やめてください 』
「 いーじゃんいーじゃん
減るもんじゃないんだし 」
だいたい誰だよ
最悪
来なきゃ良かった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。