第7話

名脇役はクソ野郎。
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2021/06/10 12:00





西畑 side

















………………本当は卒業式の日、あなたは俺に告白するつもりやった。




それを知った廉は俺の彼女に伝えて2人で邪魔をした。




俺の耳に入ってないだけで他にもありもしないことをあなたに伝えてたらしい。




………………人ってびっくりしすぎると意外と冷静でいられるらしい。




なんて、そんなわけなくて。




ただ今俺が冷静なのはなんとなく勘づいていたから、なんかな、




わからん。俺にはもう何が何だかわからへん。




ただ何時間も何日も何ヶ月もかけて築いてきた結婚式を壊せるわけがないこともわかる。




彼女がしたことは最低やと思う。




やけどあなたのことをすきなまま付き合った俺に非がある。




やからきっとこのままお互い妥協して2人で生きていく、そんな気がする。




彼女が結婚する前に打ち明けてくれたのはきっと罪悪感があるからで。




……それが正しいのかは俺にはわからんけど。




ただあなたが今、幸せならそれでいいと、幸せになってほしいと願う。




それが俺の、脇役の、最後の役目やから。


















































































『……………大丈夫。俺、あなたのことはもうすきやないから、な、?そんな責任感じんでええよ。』




彼女 「……ほんとは、ほんとはね、今日は結婚式じゃないの。」




『……………え?』




彼女 「最低なことをした私と廉くんからのお詫び、になんかならないかもしれないけど、ここにはもうすぐあなたちゃんが来るの。」




『……………まって、何言って、』




彼女 「最低なことして本当にごめんなさい。もう二度と目の前には現れないから。」




『なぁ、だから何言ってるん、!』




彼女 「………今までで本当にありがとう、!」









































































そう言って彼女は目の光を隠して部屋を出ていった。




最後の最後に初めて目が合った、そんな気がした。




……………俺こそ、ごめん。ありがとう。




そんな言葉すらもでないほど彼女は綺麗だった。




………この状況を理解出来ず、ただ時が流れるままに身を任せているとコンコンなんていうドアと叩く音が聞こえた。




そこには大人っぽいけどどこか変わらんままのあなたがいた。




おめでとう!なんて笑っているけど今ならわかる。




これも、今までも、全部全部作り笑いやったんやと。




あなたが俺らしかいない状況を理解し終わる頃、俺はあなたを抱きしめていた。




今までの分を埋めるかのように。




今思い返せばいろいろあったけど、最後の最後にこうしてあなたといれるなら全部必要だった。そう思った。




……………今やから言えることは、高校の時の俺は強ければ主人公になれた脇役で。




今の俺は……なんやろ、わからへん、笑




ただわかるのは、




………こんなこと言ったら、あほやろって笑われるんかもしれへんけどあなたは俺の運命のひとで、




俺はあなたと出会うために、あなたを幸せにするために生まれてきた。




と、あなたを見た時に本気で思った。




……………やなくて今まで言葉にせんかったから、伝えへんかったからこうなったわけで。




やからちゃんと伝えよう。






…………………「ずっとずっと好きやった」って。






なんて伝えれば懐かしいクシャクシャな笑顔が降ってきた。




彼女にあんなことをさせておいて俺が幸せになっていいのかはわからへんけど、帳消しにならへんかな、




…………あなたを幸せにすると誓うから。




…………………もうずっとあなたに会いたかった。














「これからは横でその笑顔を見せてください。




その笑顔は必ず俺が守るから。」









































































































主人公 ¦ 西畑大吾 あなた


脇役 ¦ 彼女 永瀬廉



















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