今、妖介の一言でこれから妖介、兼颯太の生活が変わる。
もちろん、私達の関係も変わってくる
全員が息を飲む中、妖介…颯太が出した答えは
はい?
多分おそらく絶対皆思った
え?颯太何言ってんの…
ほら、弟くんも困ってる
うんうん、と弟くん含めその場にいる人全員が頷いた。
「だって…」
妖介が口を開く。
それは…と、弟くんが口を開く。
少し言いずらそうに、ため息をつきながら
冷静だった。
兄に言うには冷たすぎるのではないか、というほどに
そこまで言いかけて、こちらに目を向け目で訴えかけてきた。
「来れなくなった。」わかるだろう?と言わんばかりの眼力だ。
私と彩乃ちゃんが言うと、颯太はギクリと顔にそのまま表しような表情で固まった。
颯太は長い沈黙を置いて、口を尖らせ明らかに不満げな気持ちを表情筋全体に込めた顔で再び口を開く。
ブツブツと独り言のように呟く颯太に対して弟くんは変わらず冷静な口調で淡々と話す。
そして一言、こう言い放ったのだ。
私達には理解できないような文をつらつらと述べる弟くん。
もちろんついていけない私達は口をポカンと開けて見つめているだけだ。
颯太が拳にギリギリと力を込めて、力強い声色で言い放った。
弟くんはやれやれと言うように手を挙げる。
弟くんが1歩踏み出す。
そして颯太の顔にズイっと自分の顔を近づけ、よく漫画とかで言うとライバルが主人公に宣戦布告をする時のように目を見開きながら言う。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!