第12話

Episode Eleven
367
2021/04/19 12:35
妖介(颯太)
妖介(颯太)
俺は…
今、妖介の一言でこれから妖介、兼颯太の生活が変わる。
もちろん、私達の関係も変わってくる
全員が息を飲む中、妖介…颯太が出した答えは
































妖介(颯太)
妖介(颯太)
どっちも…ってのはダメか?
はい?
多分おそらく絶対皆思った
え?颯太何言ってんの…
狐李斗
狐李斗
兄さん…君って人は…
ほら、弟くんも困ってる
彩乃
彩乃
弟くんが困ってるよ…
うんうん、と弟くん含めその場にいる人全員が頷いた。
「だって…」


妖介が口を開く。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
また鏡で行き来すればいいだけの話だろ?
妖介(颯太)
妖介(颯太)
なんでダメなんだよ
それは…と、弟くんが口を開く。
少し言いずらそうに、ため息をつきながら
狐李斗
狐李斗
出来てたら僕はこんな選択持ちかけてない。
冷静だった。
兄に言うには冷たすぎるのではないか、というほどに
狐李斗
狐李斗
前まで兄さんはそうやって行き来してた。でも
そこまで言いかけて、こちらに目を向け目で訴えかけてきた。
「来れなくなった。」わかるだろう?と言わんばかりの眼力だ。
凛奈
凛奈
あぁ…ね
彩乃
彩乃
来れなくなったのね。
私と彩乃ちゃんが言うと、颯太はギクリと顔にそのまま表しような表情で固まった。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
それは…そうだけど………
颯太は長い沈黙を置いて、口を尖らせ明らかに不満げな気持ちを表情筋全体に込めた顔で再び口を開く。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
俺だって成長したし…
狐李斗
狐李斗
…。
ブツブツと独り言のように呟く颯太に対して弟くんは変わらず冷静な口調で淡々と話す。
狐李斗
狐李斗
ダメだ。
そして一言、こう言い放ったのだ。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
っえ、なんで…
狐李斗
狐李斗
まだ成長してない。兄さんに〝鏡同士の行き来〟は早すぎる。
狐李斗
狐李斗
〝反射の力が兄さんは欠けてる〟
私達には理解できないような文をつらつらと述べる弟くん。
もちろんついていけない私達は口をポカンと開けて見つめているだけだ。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
でもっ…でもっ……!
颯太が拳にギリギリと力を込めて、力強い声色で言い放った。
妖介(颯太)
妖介(颯太)
俺はやる!
狐李斗
狐李斗
これだから、脳筋兄さんは…
弟くんはやれやれと言うように手を挙げる。
狐李斗
狐李斗
なら、試してみるかい?
弟くんが1歩踏み出す。
そして颯太の顔にズイっと自分の顔を近づけ、よく漫画とかで言うとライバルが主人公に宣戦布告をする時のように目を見開きながら言う。
狐李斗
狐李斗
鏡と硝子僕と兄さん、どっちが優秀か

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