無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

1,595
2021/10/01

第22話

取り戻した平和


犯人が捕まって暗いニュースがパタリとやみ
平和な日常が戻ってきた。

でも私ときょーちゃんの関係はなんら変わりなく
ただ毎日一緒に登下校するだけ。

黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
おはよ!ひなた
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
お、おはよ!

きょーちゃんは今日も懲りずに
朝から迎えにきてくれた。

ふと彼の横顔を盗み見る。

一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
(きょーちゃん…
私のことどう思ってるんだろう?)
自分の恋心に気づいたものの
こちらから別れようと言った手前
告白なんてできるはずもない。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
どうしたの?
俺の顔になにか付いてる?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
え!?
あ、その、毎日朝迎えに来てくれて
負担になったりしてないかなって
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ひなたのためなら
なんだってするよ

さらっとそう言って笑みを浮かべる彼。

その笑顔はあまりにもまっすぐで
どうして今まで言いしれぬ恐怖を感じてたのか
わからなくなった。






​─────その日の昼休み。
星野 優香
星野 優香
なんか平和すぎて逆に変な感じ

購買の前、飲み終わったジュースの
ストローを噛みながら優香がつぶやいた。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
平和が一番でしょ?
星野 優香
星野 優香
ま、そうだけどさ~
ひなたはいい加減…前に進みなよ
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
えっ?
星野 優香
星野 優香
黒瀬となんかこじれてるでしょ?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
なんで分かったの!?
星野 優香
星野 優香
そうやってすぐ顔に出るからね
ちゃんと話し合った方が
いいと思うけどな

でも、私は今の関係すら
壊れてしまうんじゃないかと思うと怖かった。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
(もしきょーちゃんがもう私のことを
好きじゃなかったら?)

あれ…?


そもそもきょーちゃんから「好き」って
言われたことあったっけ?

もしかしてただ痛い勘違いしてただけとか?

付き合ってたけどあれは遊ばれてただけなんじゃ…!

ぐるぐるとマイナス思考に陥っていると
優香がポンと私の肩を叩いた。
星野 優香
星野 優香
ほら、次移動教室だし
早めに準備しに行こ
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
そ、そうだね

と、その時。
とある男子生徒にぶつかった。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
っ!
ごめんなさい!
男子生徒
あ、えっと…一ノ瀬さんって
黒瀬くんと仲いいよね…?
これ、黒瀬くんに渡して下さい!
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
え!!

押し付けるように渡されたのは一通の手紙。
星野 優香
星野 優香
なにそれ
黒瀬へのラブレター?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
そんなわけ…
星野 優香
星野 優香
だよね
男子から黒瀬にラブレターなんて

すると優香がニヤリと笑って手紙を奪い取った。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
あ!ちょっと!
星野 優香
星野 優香
見ちゃおうよ、中身
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ダメだって!
きょーちゃんへの手紙だし
星野 優香
星野 優香
でもひなただって
気になるでしょ
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
それはそうだけど

優香は私を無視して手紙を勝手に開封する。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
やっぱりダメだって!
星野 優香
星野 優香
しー!黙って!
今確認中だから!

どうして私が怒られるの?
理不尽だ。
星野 優香
星野 優香
ふ~ん?なるほど
片思いってわけだ
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
へ!?ちょっと見せて!

慌てて手紙を覗き込むと優香がまたニヤリと笑った。
星野 優香
星野 優香
なんてね〜
ひなたも手紙見ちゃったし
これで共犯だから
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
もう優香!!

そこに書かれてあったのは
きょーちゃんへの感謝だった。

男子生徒がずっといじめられていたこと。
それをきょーちゃんが止めてくれたこと。

そのおかげで無事に
平和が戻ってきたと書かれてあった。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
これって…

とあるシーンがフラッシュバックする。

​─────
​───

佐藤くん率いる男子グループを
なぎ倒すように金属バットを振り回すきょーちゃん。
佐藤 大地
佐藤 大地
ぐはっ!クソが!!
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
はは!
お前らよっわ…
男子生徒
ひぃい!!

​───
​─────

あの時はただひたすらバットを持った彼が怖かった。

でもよくよく思い出すと
さっきぶつかった男子もあの場にいたような…。

それにあの男子には一切怪我はなかった。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
 つまり、きょーちゃんは
彼を庇っていじめグループを撃退しただけ?
星野 優香
星野 優香
なに?どうしたの?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
そっか!
そうだったんだ!

まるでパズルのピースがハマったような感覚。

一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
なら、もしかしてあの時も…


​─────
​───

黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ひなたスマホ貸して
きょーちゃんは私からスマホを奪って
先生の連絡先を消した。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ひどいよ!
こんなことまでするなんて
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
アイツだけはだめなんだ
ああいう一見無害そうで優しい男は
裏で何やってるかわからない

​───
​─────
あれも…単なる嫉妬じゃなくて
きょーちゃんは先生が犯人だって分かってたんだ。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
そんな…
星野 優香
星野 優香
ちょっと!
さっきからどうしたの?
大丈夫?

彼はちゃんと私を守ってくれていたのに。


うちで夕飯を食べた時も涙を流したり
時折悲しそうな顔だってしてた。

きょーちゃんにも感情はあるんだ。

どうして私は彼のことを
サイコパスだなんて決めつけてたんだろう。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
優香… 私サイテーだ
星野 優香
星野 優香
え!?
ちょっとどこ行くの!

私はそのまま優香を置いて、彼の元へ駆け出した。