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2021/10/08

第23話

告白と甘い罠

私は彼の元へ走った。

右手には手紙を握りしめ息を切らして教室へと入る。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
きょーちゃん…
話したいことがあるんだけど
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ん、待ってたよ


まるで私が来ることを知っていたような反応。

彼は無言で席を立つと私の手を引いて
屋上へと向かった。





​────キーンコーンカーンコーン。


屋上のスピーカーが大きな音で授業開始の
チャイムを鳴らした。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ごめん!
授業始まっちゃった!
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
授業よりひなたの話の方が
大事だから


きょーちゃんはいつも私を優先してくれる。

こんなにも真っ直ぐ私を思ってくれているのに
どうして今まで誤解してたんだろう。

私は握りしめていた手紙を彼へと差し出した。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
これ!手紙…預かったんだ
ごめん、勝手に中身みちゃって…
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
そっか

なぜか興味なさげに手紙を広げ
彼の目が字を追っていく。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ねぇ、きょーちゃんが
いじめを止めたって本当?
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
あ~…あのときの

彼は何かを思い出すように頷いて
少し照れくさそうに笑った。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
なんか改めて感謝されると
恥ずかしいな
別にたまたまだよ

彼は当たり前かのように答えた。

一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ごめんなさい!
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
え!?どうしたの?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
私、きょーちゃんのこと
ずっと誤解してた
危険なサイコパスだって
思ってたの
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
…うん
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
サイコパスだって決めつけて
本当のきょーちゃんを見ようとも
しなかった
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
うん
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
きょーちゃんが
どうしても怖かったから
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
うん

ただ、私の話を受けとめてくれる彼。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
でも、きょーちゃんが
私を守ってくれてたことに
やっと気づいたの
私、間違ってた…
サイテーだった…
本当にごめんなさい!


誠心誠意、頭を下げる
それからゆっくりと顔をあげると
彼が優しい瞳で私を見つめていた。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
それだけ?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
え?

彼は一歩踏み出し、私の顔を覗き込む。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
まだ何か言うことないの?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
何かって…?
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
俺は別にひなたの謝罪が
ほしいんじゃないんだけど
俺がほしいのは…

「ひなた」

そう言って彼は、私の頬に優しく触れる。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
俺はひなたが好きだけど
ひなたは?

突然の「好き」にカッと顔が熱くなる。

初めて彼がはっきりと気持ちを伝えてくれたのに
顔が熱くてそれどころではない。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ぷっ!ひなた顔真っ赤
トマトみたい
噛んだらきっと甘いんだろうな

また怖いことを言う彼だけど
私はもう平気だった。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ねぇ、ひなたの気持ちは?

念を押すように返事を催促され
私は勇気を出して答える。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
わ、私もきょーちゃんが好き!


裏返った声が恥ずかしくて思わず顔をそらす。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
やっぱウソ!
きょーちゃん何やらかすか
分からないからそのドキドキを
恋のドキドキと間違えちゃった
のかもしれないし…

余計な言い訳を口走ってしまい、早くも後悔する。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
(なんで私思ってもないこと言って…)
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
何やらかすか分からないなら
また俺を躾けてよ…ひなた得意だろ?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
え…?

彼の方を向くと、目の前に影がかかる。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
…っん!

唇に触れる柔らかい感触。

数秒間、まるで時間が止まったみたいに
周りの音が何もかも聞こえなくなった。

唯一感じるのは唇の熱だけ。


すっと彼の顔が離れてやっと時間が動き出す。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
きょーちゃん!!
今の、き、キス…!
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ドキドキした?

悪びれない顔で笑う彼。
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
ドキドキなんてしてない!
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
素直じゃないとこも好き
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
うっ…

あまりにストレートな気持ちに
私はもう彼には敵わないんだと思った。


その日、私達は2人で授業をサボった。




一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
もしかして今までの言動全部
わざとサイコっぽくみせてたの?
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
そうだったら?
でもそのおかげでずっと
俺のことばっか考えてたでしょ?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
きょーちゃん
そういうところだよ
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
何?
俺のことまだ
殺人犯だとか思ってる?
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
もう思ってないよ

そういうと優しい笑みを浮かべ
きょーちゃんは私を抱きしめる。
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
 やっと…捕まえた
一ノ瀬 ひなた
一ノ瀬 ひなた
今なんて?
黒瀬 恭平
黒瀬 恭平
ひなたって本当可愛い
もう絶対に離さないから



そう耳元で囁かれた彼の声は
「一生離れたくない」と思えるほど甘く響いた。