第150話

頼られない
1,946
2020/07/19 21:50
伊野尾side
伊野尾慧
ま、分かんなかったことは仕方ない。
有岡大貴
だね。
薮宏太
……あ、そえいえばさ、伊野尾がリビングに戻ってきたとき、伊野尾もあなたについて話さなかったよね?
八乙女光
あー、確かに!「言ってもどうにかなる話じゃないから」って。
あぁ、そんな事も言ったな。
伊野尾慧
うん、言ったね。
髙木雄也
今なら言えない?
伊野尾慧
あー、まぁ、言ってもいいよ。
知念侑李
お!じゃ、教えて。
伊野尾慧
えーっと、さっきあなたの部屋に行ったときにさ、あなたの体が動かなくなったんだよね。
山田涼介
あ、そうだったんだ…
伊野尾慧
うん。それで、俺、何したらいいのか分かんなくてさ、聞いたんだよ。「何したらいいかな?」って。
伊野尾慧
そしたら「時間が経てば大丈夫だよ。」って言われたんだよね。
中島裕翔
……ん?別にいつもと同じじゃない?
伊野尾慧
そう。いつも「時間が経てば大丈夫」って言われるんだよね。俺ら。
伊野尾慧
でもさ、よく考えてみてよ。
伊野尾慧
それって、あなたが俺らのこと頼ってないんだよ。頼りたいと思われてないんだよ。
八乙女光
っ……
伊野尾慧
俺らはあなたに何度も助けられてるし、頼ってる。でもさ、あなたは俺らを頼らない。
伊野尾慧
ましてや、あなたの体が動かなくなったときの対処法も知らない。なんなら知ろうともしてない。
伊野尾慧
10年以上も一緒に居て、頼られるような関係になれてないんだよ。
伊野尾慧
てことは、頼られるには、何年かかるんだろうね。
俺の読みは間違ってなかった。


やっぱりあなたは手強かった。


山田の時よりもずーっと、手強い。




俺の話を聞いて、メンバー全員黙る。




そんな中、めげずに意見を言ってくる奴も居る。

それはもちろん、うちのエース。

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