あなたside
うわぁ~My Girl!てか大ちゃんいつの間に!
この曲って確か、一人の女の子を二人が「俺の女だ!」みたいな感じで奪う的なやつだ!
山ちゃん考えたなぁ~!
…本当に助かるなぁ……。
二人がファンを夢中にさせてくれている。
みんなの目がキラキラしているように見える。
やっぱり二人はお手本みたいな「アイドル」だな。
歌声も急遽やってくれてるとは思えないほど安定している。
あ、そういえば…自分のパートのときに私の近くに来てる?
てことは、私も目線とか少しでも二人のパートに合わせないとだ!
動ける範囲で二人の流れに合わせる。
二人の歌声に包まれる。
なんかこれ、口説かれてるみたいで恥ずかしいな、演技でも本気で照れちゃいそう……///
……いや、そんなこと言ってる場合じゃない!
はやく体を戻さないと。
この曲が終わるまでに動かせるようにしないと……。
今までどうやって動かせるようにしてたっけ……
あぁそっか、今まで時間が経てば戻ってたからどのくらいで戻るかとか、全然分かんない……。
でもこのままじゃダメ、どうにかして戻さないと。
せめて声が出るようにしないと………。
次の瞬間、今日何度目かの歓声が響き渡った。
その歌詞にのせて山ちゃんは私に顎クイをした。
山ちゃんとの掛け合いのとき、山ちゃんの手を退けるようにして、大ちゃんまで顎クイをしてきた。
私の頭はパンクしそうなくらいにいっぱいいっぱいで顔も真っ赤なはず。
もちろん確認なんて出来ないけど、体が熱くなるのを感じた。
と、同時に自然と、腕が動いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。