山田涼介side
無事皿洗いを伊野ちゃんにやってもらい、俺はソファでゆっくり。文句を言いながらもちゃんとやってくれる伊野ちゃんは真面目だな~なんて考えていると、いつの間にか時間は過ぎていたらしく、メンバーは自分の部屋に戻っていた。
今リビングに居るのはあなたと俺だけ。
さっきの話をあなたに聞いてみようかな。
なに、今の間。
秘密って笑ってるけど、顔、ひきつってね?
気のせいか……いつものあなたの顔に戻ったし。
考え事?あー、圭人の留学が嫌だってことか。
……本当に、そのこと?違うことかもしれないよね?
なんか……あなた、今までとちょっと違う。
圭人の留学の話を聞いてから、違う感じがある。
なんか、嫌な予感がする。
なんていうか、大げさかもしれないけど、急にあなたが居なくなっちゃうような、そんな気がする。
え、なんで黙るの……?嘘でしょ……?
なに、俺の勘が当たったの……?
ねえ、居なくならないって言ってよ……!
消えないって言ってよ……!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。