山田side
違うんだよ。いや、違くないんだけど。
あなたを助けたいっていうのは本音なんだけど。
あなたの動きを知っておかないとヤバイんだよ。
主に俺が。いや、特に俺が。
というのも、先日いきなり来たマネージャーにミッションをもらったんだけど、その内容はあなたを見てて欲しい、そして何かあったら助けて欲しい、というものだった。
これ自体は特に問題ないんだけど、問題なのは、俺らの位置。
大体のメンバーは、舞台裏でステージが見えるところとか、関係者席の目立たないところとか納得できるんだけど、俺のだけ、ステージの真ん前だった。
…いや、ファンにバレるだろ。
いくらオフの日にファンにバレないくらい普通の人になる俺だって、今日はファンは気づくって。
ったくマネージャーはなんでここにしたかな…
まあてなわけで、ファンにバレないように上手く過ごすためにもあなたに色々聞きたいことが…
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動きは分かった。あとは俺がどう対応できるか。
まぁそんな大きな出来事ないだろうし、ファンにバレないように頑張ろう。
そう、あなたのためならいくらでも頑張れる。
あなたの最後の晴れ舞台。
絶対に成功させないと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。