第162話

中に入って
1,861
2020/08/01 00:33
あなたside


なんじゃこりゃ。


初めて見た東京ドームの中は予想を上回る豪華さだった。装飾も丁寧にされていて、隅から隅まで楽しめる内装だった。
中島裕翔
うっわ!すっごい!
山田涼介
こんなん初めて見たわ
薮宏太
すごいね…
有岡大貴
ジャニーさんがどれだけすごい人だったかっていうのが見に染みてわかるね
大ちゃんの言っていることに、私も賛成する。


この豪華な装飾、おじいちゃん以外にした人って居るんだろうか……


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

会は順調に進み、感動するときもあれば、笑いがこぼれるときもあって、とても素敵な会となった。
髙木雄也
ね、もうすぐじゃない?
あなた

ん?なにが?

知念侑李
何がって、あなたのスピーチ!
あなた

あー、そうかもね

八乙女光
だからなんでそんなにも余裕なのよ笑
あなた

もとからこーいう性格なのよ笑

伊野尾慧
さすがだね笑
みんなから逆に焦ろと言われるくらいに、呑気に会に参加していたため、自分の番が来るのがいつなのかも把握していない。


そろそろかなぁ、と思っていると、丁度司会の人が口を開いた。
司会
それでは、次は遺族代表の言葉です。
司会
喜多川あなたさん、お願いします。
あなた

はい

前にあるステージに向かって歩く。

右手には、おじいちゃんからの遺書を握って。

東京ドームの中で、私だけが歩いてる光景なんて、初めてだろうな。


東京ドームの中に何人の人が居るのかなんて分からないけど、その代表として、私は今から喋るんだ。

そう思うと、緊張よりも楽しみが勝った。



こんな機会は滅多にない。

それなら、思う存分味わってやろうじゃないか。


大勢の前でおじいちゃんへの感謝を話し、私の秘密も暴露した瞬間の、みんなの反応を。

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