あなたside
なんじゃこりゃ。
初めて見た東京ドームの中は予想を上回る豪華さだった。装飾も丁寧にされていて、隅から隅まで楽しめる内装だった。
大ちゃんの言っていることに、私も賛成する。
この豪華な装飾、おじいちゃん以外にした人って居るんだろうか……
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会は順調に進み、感動するときもあれば、笑いがこぼれるときもあって、とても素敵な会となった。
みんなから逆に焦ろと言われるくらいに、呑気に会に参加していたため、自分の番が来るのがいつなのかも把握していない。
そろそろかなぁ、と思っていると、丁度司会の人が口を開いた。
前にあるステージに向かって歩く。
右手には、おじいちゃんからの遺書を握って。
東京ドームの中で、私だけが歩いてる光景なんて、初めてだろうな。
東京ドームの中に何人の人が居るのかなんて分からないけど、その代表として、私は今から喋るんだ。
そう思うと、緊張よりも楽しみが勝った。
こんな機会は滅多にない。
それなら、思う存分味わってやろうじゃないか。
大勢の前でおじいちゃんへの感謝を話し、私の秘密も暴露した瞬間の、みんなの反応を。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。