第123話

会いたいけど
2,024
2020/06/07 01:30
山田side

仕事、いまいちだったなー。みんなわいわいしゃべってるけど、俺、そんな気になれねーし。

みんなが家に入って、最後の俺が靴を脱ぐ。他の靴を見ると、9足しかない。改めて、圭人が居ないことを思い知らされる。
薮宏太
俺、部屋行くわー
髙木雄也
俺も部屋もどる~
八乙女光
俺もちょっと寝よっかな~
伊野尾慧
俺も寝るわ~
有岡大貴
俺、ゲームしよっかな!
知念侑李
え、待って、僕もしたい。大ちゃんの部屋行くから、待ってて。
中島裕翔
じゃあ、そのゲーム観戦しよっかな!
ぞろぞろとみんな自分の部屋に戻っていく。
山田涼介
俺も部屋に居るわ。
プルルル プルルル



誰かの電話がなってる。俺の……ではない。
あなた

あ、もしもし?圭人、どうしたの?

「圭人」


その言葉を聞いて、あなたの方を見る。
あなた

うん、うん。あーね!え!楽しそう!笑
そんなことあったの?笑

そっか、圭人は楽しんでるんだ。
圭人に会いたいとか思ってるのは、俺だけか。
あなた

え?うん。居るよ?代わる?

そう言ったあなたは、俺を見ている。
あなた

はい、圭人が話したいって。

あなたのスマホを受け取って、画面を見ると、岡本圭人という文字が映っていた。
あなた

私、することあるから、話し終わったらそこら辺に置いといて!んじゃ!

そういってあなたもどこかへ行ってしまった。

今、このリビングに居るのは俺だけ。


スマホを耳に当てて、声をかける。
山田涼介
もし、もし……
岡本圭人
あ、山ちゃん?久しぶり!
俺の求めてた声が、今、俺の耳に聞こえている。

会いたかった人に俺の声が、今、届いている。


そう考えるだけで、とてつもなく嬉しくって、楽しくなって、少しだけ、泣きたくなった。

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