あなたside
そっか………そうだよね……。
頑張ってきたんだもんね。
先生に大丈夫だよって後押しされると、なんだか本当に大丈夫な気がしてくる。
先生と自分を信じておけば、きっとどうにかなる。
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そのあとはレッスン室に戻ったり会場に行ったりせず、病室へ帰った。
あと10日。まだ10日。もう10日。やっと10日。
色んな解釈が出来るけど、多分私からするとやっと10日が一番しっくりくる。
約1年半の間暖め続けてきた私の集大成を、ファンのみんなに見せれるんだから。
多分、コンサートが終わったら、私の命は本当に長くないと思う。
あっという間だと思う。
だから、いつ死ぬのかなんて分からないけど、死ぬなら、コンサートの余韻に浸りながら死にたい。
楽しかったなぁって、思いながら。
そして、みんなのことも想いながら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。